超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(1) 交換レンズの選択』

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一眼レフやミラーレスのカメラを初めて使う人がまず戸惑うのがレンズ選び。カメラ本体の方は各人で意中のメーカーや機種があったり、相談したダイビングショップやカメラ店のスタッフが具体的な製品を勧めてくれたりしますが、レンズの方は水中で主に何を撮りたいかで違ってくるので自分で選ばないと。

最初にボディと交換レンズがセットになったレンズキットを買うと割安ですが、私の独断と偏見から言えば標準ズームレンズは水中では無用の長物。あんまり寄れなかったり、被写体が小さくしか写らないから。大きく写そうとズームをかければ青かぶりな写真を増やすだけです。

よって水中用には以下の二系統から選ぶのが良いかと。

  1. マクロレンズ
  2. フィッシュアイレンズ

小さな被写体を発色良く大写しにしたければマクロレンズ(Nikonの呼び方はマイクロレンズ)、ジンベエやマンタ、イワシ玉などの巨大な被写体や地形をダイナミックに写し込みたならフィッシュアイレンズという具合ですね。

でもフィッシュアイは慣れないと使いこなせそうにないので(しっかり寄らないと思いっきり淋しい写真になりがち)、初心者には難しいのではないかと。広範囲を写し込む特性上、撮影場所を選びます。そう、透視度が高い南国リゾートとかですね。

さしあたりNikonかCanonなら60mmぐらいのマクロレンズから始めるのが無難ではないでしょうか。PanasonicかOlympusなら45mmマクロ。共に35mm判換算で90mm相当の画角が得られます。マクロレンズならズームレンズよりも拡大倍率も大きく、かつ被写体にかなり寄れます。

私はカクレエビが撮りたくて105mmから始めたものの慣れるまでに時間がかかりました。いや、今だにファインダー内で被写体を見失うこともあります。しかもワーキングディスタンスが20cmほど必要なのにコンデジの頃の癖で目一杯近寄りたくなるし。

こうやって商品を並べてみると、Canonのレンズが安いのですね。おまけに短くて軽いし。Eos Kissという名シリーズもあることだし、Canonでセットを組めばNikonよりも安価でコンパクトになりそうです。

意外にもマイクロフォーサーズ用のレンズが一番高価なのか…。

超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(2) モード設定』>>

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超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(0) はじめに』

今回から備忘録を兼ねて、水中写真の撮りかたについてのコツを何回かに分けて書きます。ここにでも書いとかないと、しばらくダイビングから遠ざかったら忘れてブランク明けに余計なことをしてしまいそうだから…。

うかつな写真の例
先日、オートの設定で撮ってしまった一枚。絞りがおもいっきり開放され、ほとんどがぼけてます

もちろん私があれこれ教えられるほど物事を修めたわけではないので、自身も含むデジイチ水中写真の初心者に向けた撮りかたの指針みたいなものですね。当然、プロや上級者が教えるそれよりももっと初歩的な感じになるはずです。

ネットを検索すると水中写真の撮り方を初心者向けにていねいに解説してくれているありがたいサイトも多々あるのですが、超・初心者の内はその基本中の基本すら理解できなかったりするのですよね。

私も最初の段階では理屈を教えてもらうよりも、「こういう設定で撮りなさい」「こういうことはしちゃダメよ」と断定的に言ってもらった方が良かったなぁと。そうして少々経験を積んでからなら解説も割とすんなり頭に入ってくるものです。

そういうわけなので、ひょっとしたら私の理論は正しくなかったり、もっと適切な方法があるかもしれませんが、そこはご容赦ください。ご指摘、ご指導いただけると非常に助かります。

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カメラ用フロートが届いた

個人輸入したカメラハウジング用のフロートが届きました。

商品$40に対して送料$35。微妙な感じだけど、まあ日本では流通していないようなので。

商品の内容物セット
内容物一式。一番奥はインドネシアのレンベの紹介カード

フロートのブロックは写真だとふわふわなスポンジにも見えますが、実物はけっこう固い素材で出来ています。まあそうじゃないと水圧に潰されますからね。

さっそくハウジングに装着してみました。

フロート装着例
フロートの装着例

フロートの奥行きは52mm。この通り105mmマイクロレンズ(マクロレンズ)用のレンズポートにぴったりサイズ。60mmマイクロレンズとかだと奥まってしまいますね。ならばクローズアップレンズの脱着は面倒になるかも。

ああそうだ。これによりストロボはレンズポートのすぐ横に持ってこられなくなりました。なので、ちょっと狭いところにカメラを突っ込んで撮る際は、フロートを外す必要がありますね。

さて、一番重要なのは水中でのバランス。さっそく今週末、沖縄で試してくるつもりです。

Nikon D300は型落ちしてたのか

しばらく前から私のblogのエントリがFacebookのニュースフィードに流れなくなっています。

調べてみたらWordPressのプラグイン『WordBooker』がアップデートされた際、設定項目に『Post to the following Wall :』が追加され、デフォルト値として「As a Wall Post」が選ばれていました(下図の一番下)。

wordbookerのユーザー設定

まだ試していないけど、おそらく「As a Status Update」に変えれば従来通りニュースフィードにポストされるのでしょう。でも、この方がいいや。ニュースフィードに流すと画面がうるさくなるので。きっと開発者もそう考えて仕様を変更したのではないかと。

ニュースフィードには、まれに皆にお知らせしたいことを書いたときだけ流しましょうかね。


D300-bodyさて、今回はカメラの話。

ふと気になってNikon D300の製品情報を調べてみたところ、もはやNikonのサイトの製品ラインナップにありませんでした。検索すると「旧製品」のカテゴリでヒットします。かつての中級の主力機もいつのまにか姿を消していたのですね。

もっとも性能的にはほとんどの点で後発のD7000に越されましたし(ボディの剛性などでは勝っているけど)、D800という化け物みたいな新機種も登場したので無理もないでしょう。

その一方で新たにD600とう名前の新機種が出るという噂も。ならばこちらがD300の後継機種になるのかな。確かにD7000とD800の中間、つまり中級機の上位機種の座は空位なので。

このクラス(20万円弱?)のカメラを待っている人は9月ぐらいまで待ってみるのがいいのではないでしょうか。きっと最強のDX(APS-Cの)カメラになるんじゃないかと思うので。

ePubってダメなんじゃね?

先日、JEPA主催のePub関連のセミナーに参加しました。

率直な感想は「カオス」でしょうか。何とも混とんとしている印象です。こう言っては何だけど、「ePubで何を実現するのか?」や「●●を達成するための手段がePubなんだ」ではなく「とりあえずePubを作れる製品を開発してみました。何に使うかはお任せします」的な取り組みが多いのですよね。

そんな中、良かったのは下記の2セッション。

『津田大介の「メディアの現場」』の現場 ネオローグ 香月啓佑

ジャーナリスト津田大介さんのメルマガがePub化されたことによって購読部数が伸びたという事例紹介。

ただし、ePub化すれば書籍としての完成度が上がり、売り上げ増に結びつくなんて考えたら大間違い。読ませる力、買わせる力を持ったコンテンツであればプレインテキストよりもePubの方が求心力を得られるというお話です。

セッションでも「こんなメルマガはすぐに廃刊になる」というあるあるネタに多くの時間が費やされていました。

EPUBでアクセシビリティーを考える – 音声読み上げ機能をSMILで実装する  想隆社  山本幸太郎

ePubに音声合成による読み上げ機能を持たせてしまおうという試み。なるほどこれは面白いです。

これまでも音声読み上げを伴う電子書籍にはDAISYという規格があって、先行する米国だけでなく国内でもそれなりに普及しつつあるのですが、より一般的なePubを読み上げられるなら、それを置き換える可能性があります。

そもそもePubとDAISYは近い将来統合される予定なので、そういう未来を先取りしている感じです。iPadのiBooksでePubを読み上げてくれるなら専用プレイヤーが必要なDAISYなんか要らないじゃないかと。

それに視覚障害者向けだけでなく、文章校正にも有益だとの話。確かに活字テキストの黙読、素読みでは日本語の微妙な間違いを見過ごしがちになりますが、そんな箇所も耳で聞けば違和感を覚え、即座に発見できます。さすがに同音異義語、漢字の変換ミスの検出には無力ですが、目視確認と併用すれば確実に校正精度が向上します。

デモはまだ試作段階のようでしたが、完成度が上がれば大化けしそうなアイディアです。

で、ePubへの総評ですが、これが何とも微妙ですね。少なくとも日本では。

2年前に最初のiPadが発売され、iBooksがePubをサポートしていたことで「これで出版社や取次、街の本屋さんもすっ飛ばして個人が本を出せる時代になる」と言われていたものの結果はこの通り。

いや、それ自体は間違っていないのですが、結局のところ人々は素人の書いた粗削りな文芸作品なんぞを読みたくはないわけです。

一方で有力作家や有名人には出版社、編集者の手を借りて紙の本を出したりアプリにして売る方法があります。いくらタブレット機器が売れているからと言ってePubで書籍を出すことには必然性が乏しいのですよね。

まあ、津田さんのような有名なジャーナリストや大手出版社がこぞって採用し、一方で紙の本への注力度合いを減らせば日本でも標準規格としては成功するでしょう。でも、かつてのホームページ作成ブーム→blog→Twitter→SNSといった流れの、誰でも発信者側になれる全員参加型による突破力はePubにはありませんね。

まれに編集者の手を借りる必要がないほどポテンシャルの高い素人の作品が注目を集め、売れることはあるかもしれませんが、それに続こうとする凡庸な連中は死屍累々となり、やはりブームにはならないでしょうね。