10年以上前、座間味のとある海域(阿嘉島 や安室島の近く)には「ポンタ」と命名された人懐っこいサザナミフグがいて、ダイバーに愛嬌を振りまいていたという話を聞いたことがあります。その頃のダイビング雑誌にはよく登場していたような。
もちろん初代のポンタはとうの昔に天寿をまっとうしたわけですが、いました、今回も人懐っこいサザナミフグが。
砂地の上を移動中に左側から視界に入ってきたかと思うと、どんどん接近してきます。でも私のカメラはレンズ前のワーキングディスタンスが20cmほど必要なので、あまり迫ってこられても具合が悪いのですよね。もちろんレギュレータ越しに「来るな」と言っても聞き入れてはくれません。
しかたなく自分が後ずさりするもののダイバーに興味津々なのかニッコニッコしながら遠慮なく距離を詰めてきます。
あまりに寄ってくるので尻尾を軽くつまんでやると、くるっときびすを返すものの、また直ぐに戻ってきます。もう一度尻尾をつまんでも、すり抜けはするものの、やっぱり笑顔で近寄ってくるのですよね。
てなわけで、格好の被写体なのに狙えて撮った写真がありません。
かつてのポンタの血統を受け継いでいるのか、あるいはここの海のサザナミフグという種にその傾向があるのかは解りませんが、ともかく遊んでくれました。それも写真が撮りづらいぐらいに…。
私はこの個体を「ポンタ53世」と名付けたいと思います。