ポンポン島殺人事件の影響

私たちがシパダン(宿泊はマブール島)に行く6日前の11月15日未明、マレーシアのポンポン島にて謎の武装勢力(一説ではフィリピン系イスラム過激派とも)がリゾートに侵入し、台湾人ご夫婦の夫を射殺し奥さんを拉致する事件が起きたそうな。最初から台湾人を狙ったのか、たまたま台湾人だったのかは不明です。その後、奥さんがどうなったかも解りません。せめてどこかで開放されていればいいのですが…。

そういやシパダン・マブールの海域では、昔から稀にこの手の話が聞かれますね。その度に短期的に渡航禁止になっていたような…。

そのポンポン島はマブール島からボートで1時間弱の距離にある島。さしあたりポンポン島および周辺のリゾートでは警備体制が厳しくなっているとの話でしたが、シパダンウォータービレッジでは微塵も感じませんでした。

マレーシア海軍兵?
かつてのカパライで見かけた光景。今回はまったく見かけませんでした

シパダンウォータービレッジ評

シパタンウォータビレッジ(Sipadan Walter villeage、以下SWV)を使ってみたの感想は「悪くない」かな。うん、悪くはないんだけど決して良くもないですね。

シパタンウォータビレッジ(Sipadan Walter villeage)
マブール島側からの景色

まずはダイビング面。到着日がハウスリーフでのチェックダイブなのは当然として、二日目が早朝(5:15出発)からのシパダンってのもいいでしょう。バッファローフィッシュの行進狙いは定番だから。でもね、三日目もシパダンって何よ。今回、三日間しかないのに。

チェックダイブの課題はマスククリアとレギュレータリカバリ。他所のサービスだと各人の水中の身のこなしを見て、潜り慣れた無難な人は免除するところなのに、SWVのそのダイブマスターは全員に順番で課していました。当然、時間はかかるし、この点でも何かやっつけ仕事っぽくて嫌な予感がしたのですよね。

いや、二日目の夕方に発表された翌日のスケジュールはちゃんとカパライ&マブールだったのに、晩御飯を食べていたら事前相談もなしに「チェンジした」だと。シパダンじゃなくカパライに行きたいといっても聞き入れられず渋々シパダンで承諾させられました。拒否権はないのかよ。

結局、シパダン3本コースを2本に変えて3本目だけカパライにしてもらいましたが。

そもそもシバダン、パーミットの関係で人数制限があるんじゃなかったの?かつては行けることがラッキーだったはずなのに。パーミットにはキックバック、バックマージン制度でもあるんでしょうかね?

あるいは各ダイビングサービスにノルマがあるとか?一日トータル120人の内、SWVの割り当てはで14〜20人(毎日変動制)。リゾートはレストランが満席になるぐらいの盛況ぶりだったけど8割型は中国人でダイビングしない人が多そうだから我々まで動員されたとか?

シパダンのビーチ
晴れた日のシパダンのビーチは美しい風景が広がるけど、それが目当てじゃないし…

他にも、レンタル機材にはダイビング不可能な程度の整備状況のものも。ありがちなくたびれてるどころのレベルではありません。しかもボートに予備のレギュセットすら積んでないというお粗末さ。そのため私の連れの一人はシパダンで1ダイブ潜り損なうありさま。私のタンクもエアー漏れしててエントリ後にチェンジさせられたし。

ほんでもってハウスリーフも私が見た範囲では殺風景な感じ。一応、名物のニシキテグリなんかは見せてもらったけど、お隣のボルネオマブールリゾートのハウスリーフの方がまだ生物相が充実していたような。まあ、あちらは2年前の話だし、双方で潜ったサンプル数が少ないので断言はできないけど。

そして、何というかダイビングサービスは総じて統制が取れていない印象です。例えば到着日のダイビング機材の運搬にしてもしかり。まったくシステム化されておらず、こちらから用事を言いつけないと働いてくれない感じです。

居合わせた常連の日本人インストラクターに聞いた話では、近年は中国人客が増えて、それに嫌気が差した重鎮スタッフが立て続けに辞めたのだそうな。さもありなん。昔はヨーロピアンと日本人だけの秩序立ったリゾートだったのに…。

てなわけでSWV、自分からすすんでまた行きたいとは思いませんね。私の活動拠点には入れません。今後、私に旅の行きの決定権が委ねられ、マレーシア内で検討するとしても、同じ金額を払うなら他所のリゾートにします。他者にも積極的には勧めないでしょう。

でも、ダイビングのクルーこそちゃきちゃきしてないけど、その他のホスピタリティはそこそこ充実しているし、事情が解ってるリピーターに連れて来てもらえば大きな不自由はなさそうなのも事実。機材トラブルさえなければ。

よって冒頭の通り、悪くない。決して悪くはないんだけど…って感じです。

シパダンに行ってきました

よく見るお土産のお菓子のパッケージみたいなタイトルですが、先週末シパダンに行ってきました。正確にはマブール島の水上コテージ泊ですが、リゾート名が「Sipadan Walter Village(シパダンウォータービレッジ)」なので。

木曜の夜(21:30)に成田を発ち火曜日の朝(7:00)に帰ってくる3泊6日のツアーです。往復機内泊が入るので平日の休暇は2日で行って帰ってこられます。

私の場合、帰国した足で会社に直行。しかも夜は月刊マリンダイビングのパーティ(平たくいうと編集者と読者連中の飲み会)でした。家に帰り着いたのはリゾートを発った32時間後。うん、なかなかの強行スケジュールだ。

で、今回のダイビングですが、わざわざ無制限ダイブのリゾートに行っておきながら潜ったのはわずか7本(規定のガイドダイブ数)のみ。これって暴挙というか愚挙というか…。

9月に同じリゾートに行った仲間は同じような日程で14本潜ったそうな。アホだ。まあでも毎日1〜2本のセルフダイブは基本ですよね。それ潜んないと損した気にもなるし。

いや、私はセフルダイブにも行く気だったのですが、何しろ3人の連れが3人ともそれだけしか潜りたがらなかったのですよね。当然ながら単独ではセルフに行かれないし、かといって無理矢理連れ出すのも気の毒だし、他のチームに混ぜてもらおうにも行動の時間帯が違っててペースが合わなくて。

いやあ、あの三人、わざわざ遠いところまで連れて行った甲斐がなかったなぁ。それだったら比較的安上がりな沖縄の離島とかフィリピン、あるいはパラオとかにしとけば良かった。まさか片道15時間かそこらかけてマブールくんだりまで来ておきながら、海の中を存分に楽しもうと思わない人たちだったとは…。私の事前調査不足だ。

3人とも体力が続かないのか、体が冷えやすいのか、耳とかの調子がいまいちなのか、さっさとシャワーやビールにありつきたいのか…。言い方によっては角が立つので恐る恐る訊いてみたら「疲れてた」のだそうな。まあ、ダイビング云々ではなく日頃の疲労の蓄積などもあったのかも。ならば無理に連れて行って海中で力尽きられたり、上がってから寝込まれたりしてもいけないし、しかたないですね。 

まあ、ダイビング以外の面は楽しかったし、ちょっと嬉しい出会いもあったから、今回はそれでよしとするしかないかな。たまには不本意なツアーもありましょう。何ならメンバーを替えてまた行けばいいのだし。

タクロバン空港壊滅。もはやサウスレイテダイビングは絶望か…

台風30号の爪痕はすさまじく、レイテ島のタクロバン空港が壊滅状態のようですね。悲しいです。

壊滅したタクロバン空港
こちらはmsn産経ニュースから拝借した写真

一昨日も書いたけど、タクロバン空港はサウスレイテに潜りに行く際に利用します。私も過去2度使いました。今回は道路が冠水したどころではなく、大津波の被災地と同様、鉄筋の建物以外が消え失せています。

大雨で車が通れないほど冠水するのだから極端な高潮には耐えられませんよね。もちろんフィリピンの地方都市だから粗末な家屋も多いけど、比較的頑丈な建物すらやられているので、とてもそんなレベルじゃなかったわけだ。

在りし日のタクロバン空港
2011年3月の様子。タラップから撮影。ターミナルまでは歩きです

空港の元の姿はこんな感じ。奥の緑屋根の建物がターミナル。それが上の写真のような無残な姿に…。

建物の内装はこの通り簡素な作りでした。

かつてのタクロバン空港の内装
そりゃ、風速90mの突風ともなるとひとたまりもないやな…

慎んで犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、人々の生活基盤の早い復旧を願ってやみません。託せる募金活動が始まったら微力ながら私も支援させていただきます。

大物狙いの海なので私は行ったことがないけど、セブ島北端のマラパスクァもこっぴどくやられたという話も聞かれます。被害が小さければ良いのだけど…。

さて、気になるのはダイビングサービス。「こんなときに遊びのことを考えるな」と言われるかもしれませんが、サービスを提供してくれてきた人々の生活もあるので。

ジンベエザメスイム(餌付けされていない)で有名なサウスレイテは被害は少なかったようですが、タクロバンの空港も街も壊滅したわけだから、もはや陸の孤島状態です。島外からのダイビング客を迎え入れるどころの話ではないはず。

サウスレイテのジンベエザメ
サウスレイテのジンベエザメ

仮にセブ島からオルモック(タクロバンよりも西の港町)へのフェリーが出たとしても、道路には瓦礫があふれ、道中でガソリンの給油もままならないとすれば、サウスレイテのソゴッドベイまで辿り着けませんよね。サウスレイテに大型フェリーも着けるような港はあるのかな…。

いずれにしてもレジャーで行くには無理があるので、彼の地の多くのダイビングおよびジンベエスイムは閉鎖を余儀なくされるかもしれません。とても残念です。

フィリピン航空が増便

おう、12月15日からフィリピン航空の成田便が増便されるとのこと。まだ認可申請中だそうだけど、発表されたからには既定路線なのでしょう。

成田⇄マニラはこうなります。1日3スロット(3往復)。すべて毎日運航です。

  成田発 マニラ着     マニラ発 成田着
(現)PR431 09:30 13:30   (新)PR428 09:45 14:55
(新)PR427 15:55 19:55   (新)PR430 12:50 18:00
(新)PR429 19:00 23:00   (現)PR432 15:00 20:10

そして成田⇄セブはこう。1日2スロットです。

  成田発 セブ着     セブ発 成田着
(現)PR433 14:25 18:45   (現)PR434 08:00 13:25
(新)PR435 19:25 23:45   (新)PR436 13:00 18:25

しかも月・土の運航も始まり、週5日から毎日に変わります。

これでけっこう行きやすくなりますね。例えばセブ。これまでの難点は復路の直行便が早朝発だったこと。マクタン島ステイでもピックアップが4:30なんてことも。それが13:00発なら朝食を食べてプールで遊んでも余裕です。19:00には預け荷物を受け取ってリムジンバスのチケットを買えそう。

セブ島南端のリロアンからでもリゾートを6:30ぐらいに出ればOK。それなりに寝てから出発できます。

今は1:30ぐらいなので、一番眠い時間帯に起き出さなければならないのですよね。

フィリピン航空の機内食
フィリピン航空の機内食。 以前はワインを飲んでたけど、たいてい合わないので最近はビールにしてます

マニラの南のアニラオに行くにしても、今までは成田09:30の飛行機に乗るためには自宅を朝5時過ぎに出なければならなかったところが、お昼前に出ればいいことになります。何だったら日暮里から京成の急行で行ってもいいや。マニラ着が20時ごろならイミグレーションを抜けて荷物を受け取り、車移動で23:00頃にはリゾートに着きます。いい感じです。

とは言え12月15日〜はお値段が上がる時期だから私が利用するのは来年かな。