ダイブビズショー2011

ダイビング総合ビジネス展ダイブビズショー2011に行ってきました。昨年までは「ダイビングフェスティバル」の名称で東京ビッグサイトで開催されていたイベントのリニューアルスタート第一回目ですね。

私のお目当てはカメラ関連機材の新製品情報収集。まず入り口から入って右側に進むとAQCUAPAZZAがブースを構えていました。

AQCUAPAZZA製品一覧

AQCUAPAZZAはカラフルなハウジングを並べていて圧巻でしたが新作はなし。昨秋、しばらくは本業が忙しいくなると言ってましたからね。

その隣のブースはINON。こちらは新製品を展示していました。水中マイクロ魚眼レンズです。それを聞いただけで解ると思いますが、簡単に言うと「ウミウシのどアップを撮りつつ背景も入れる」といった感じの絵が作れるようになる代物です。

INON水中マイクロ魚眼レンズ

INON水中マイクロ魚眼レンズの写り方

ただし、スタッフの方が「焦点距離を85mmに設定してから…」と言っていたので、展示に使っていたPowerShot S95以外のカメラでも無難に使えるものなのかは解りません。ともかく3月ぐらいに発売予定だそうです。

RECSEA(Seetool)も未知の新製品の展示はなかったようです。ずいぶん前にアナウンスしたα55用ハウジングの開発は止めちゃったのでしょうかね。もっとも私の中ではもう関心がなくなったので訊ねませんでした。αレンズ、フォーカスリングを回すとマクロレンズが50mmほども伸びるのでは…。

SEA&SEAはLEDライトの新製品を展示していました。

SOLAシリーズ機種一覧

ビデオライト2機種(写真両端)、フォトライト2機種(写真中央の2台)を展示。フォトライトはLED4灯が白色光のみで、10灯タイプの方は赤色光を照らすこともできます。エビ用(?)ですね。

これらのライトの良いところは全長約10cmとコンパクトなこと。そしてリチウムイオンバッテリー搭載で、しかも筐体の後部に充電ポートを備えていること。つまり、単にプラグを差すだけで充電でき、筐体は一切開ける必要がありません。

SOLAシリーズの充電方法

価格は6万円台と中堅クラスですが、これまでで最も取り扱いが楽なLEDライトと言えそうです。

その向かいのUEMISも「X-ray」なるLEDライトを展示していました。

X-rayライト

このライト、まるでライトセーバーの様な太い光が遠くまで届きます。16,000円とお値段も手ごろです。ただし、この通りヘッドが大きいのでカメラのハウジングに取り付けるのは苦労しそうですが。まあ撮影用ではないのでしょう。

カメラ機材ではないものの、ちょっと気になったのが村上商事ブースの「Aqua Paint(アクアペイント)」。

アクアペイント

これまでもフィンなどにペイントできる立体塗料は販売されていましたが、いかんせん見栄え良く描くには絵心が必要でした。でもこのAqua Paintはラメ入りのマニキュアみたいな感じ(もちろん刷毛付き)なので、ステンシルテンプレートを使えば誰でも美しい模様を塗り上げることができそう。これは今年流行りそうなアイテムです。

最後は今回私が一番楽しみにしていたFisheyeのブース。ありましたNauticam(ノーティカム) D7000ハウジングが(写真右)。

Nauticam D7000ハウジング & EOS Kiss X4用

今日(1/27)発売だそうです。参考までにCanon EOS Kiss X4用(写真左)と並べてみました。この通りD7000の方が一回り大きいです。まあ、カメラ自体のサイズもそうですしね。

D7000用、ギミック的にはKiss X4用(Nauticam製一眼レフ用ハウジングの前作)とほぼ同じかと思っていたら、結構違ってますね。最も顕著な箇所はリアパネル右上のグリグリ。

Naticam D7000ハウジングのグリグリ

Nauticam D7000ハウジング & 60D用

D7000が550Dよりも5万5千円高いのは、サイズ、原材料費の高騰、そしてこのグリグリが付いたからだそうな。操作箇所もエントリ機のEOS Kiss X4よりミドル機のD7000の方が多いですしね。ちなみにD7000の隣には、更なる新作Canon 60D用ハウジング(2月発売?)もこっそり置かれていました。

また、Fisyeyeのブースには同じくNauticam製のPanasonic Lumix LX5用ハウジングも展示されていました。なんでも昨日届いたばかりだそうです。相変わらずNauticamは仕事が遅いよなぁ。

Nauticam製Panasonic Lumix LX5用ハウジング

ちょっと触っただけですが、コンデジ用ハウジングとしては大ぶりなので、前面に付いていて垂直に押し込むシャッターボタンには慣れが必要だと感じました。人さし指で無理なく押さえるには、握り方を工夫しないと辛そうです。

で、総括。今回から業界向けイベントとしての再スタートとなったDIVE BIZ SHOWですが、出展者がそのつもりでブースを構えているため、おおむね良い感じだったと思います。イベントが定着すれば、どのメーカーもこの時期までに新しいカタログを作るようになるでしょうし。

LUMIX LX5用ハウジングが割り込んできたらしい

香港のNauticam(ノーティカム)という水中ハウジングメーカーの動向にはたびたび驚かされます。Nikon D7000用、Canon 60D用に続くハウジングの新製品、月刊ダイバー1月号にはPanasonic LUMIX GH2用とあったものの、さきほどFisyeyeのサイトをのぞいてみたところ下記のバナーを発見。

Nautican LX5ハウジングのバナー

LUMIX LX5とは意表をつかれました。だってコンデジじゃないですか。

まあNauticamも別に「デジイチ専業」とはうたっていないわけで、出しちゃいけないとは言いませんが、てっきりプロユース志向のメーカーだと思っていたもので。

いや、Fisyeyeのサイトを見渡すとよく似た既存製品が。

Fisheye FIX S95

シャッターレバーやロック機構はこちらの製品と全く同じに見えます。これまで私はFIXシリーズはSeatool製だと思っていたのですが(PowerShot G11用はバックルロックの形状からして明らかにSeatool製なので)、どうやらNauticam製だったようです。

そしてSeatoolのサイトには以下の文言があります。

弊社はSeatool/Recseaブランドだけです。
類似商品が出回っておりますが弊社とは一切関係ございません。
ご注意願い下さい

どうにもキナ臭い雰囲気。ひょっとしたらFisheyeの製造委託先が以前はSeatoolだったものの途中からNauticamに切り替わったなんて裏事情があるのかな…。

ただまあ、いずれにせよ準正の安価なハウジングが用意されているCanon PowerShot S95用に¥69,000の製品はどうなのでしょうね。

確かに堅牢製ではアルミ筐体の遥かに勝りますし、Canonの純正ハウジングは昔からシューベースもレンズ径もないユーザ無視のダメダメ設計ですが、そこはINONがアダプタで上手くやってくれています。

INON S95用アダプタ

それに所詮はコンデジ。しかもこのクラスは年1回のペースでモデルチェンジしますので、2~3年も使えば性能的にも陳腐化も進み、ヘタりきったバッテリの替えも手に入れづらく買い替えを検討せざるをえなくならないとも限りません。

まあ、彼らの商売を邪魔する気はありませんし、好きな方は買っていただいて大いに結構なのですが、もし私がPowerShot S95ユーザならコンデジは耐久消費財的に考え、ハウジングは安価な純正に留めておいて、2年後ぐらいにハウジングごと最新のデジカメに買い替えますね。

Nikon D7000用水中ハウジングがさらに増加

Nikon D7000用の水中ハウジング、これまで確認した範囲では以下の通り。

  • Nauticam D7000 for Nikon D7000
  • IKELITE SLR-DC Housing for Nikon D7000 Camera
  • Aquatica AD 70000 housing for the Nikon D7000 camera
  • Nautilus D7000

そしてさらに二機種追加されます。一つ目はSEACAM prelude NIKON D7000。

SEACAM prelude NIKON D7000(前面)

SEACAM prelude NIKON D7000(背面)

この液晶サイズからしてかなり大振りなハウジングですね。重量も2.95Kgと他社製よりもいくぶん重めです。

また、SEACAM社はオーストリアのメーカーのようで、米インディアナのIKELITE、カナダのAquaticaと同様、日本での入手と保守は困難かもしれません。

そして二つ目はジリオンのZAP-D7000。まだCAD画面の段階でちょっと出足が遅いのですがジリオンと協業関係にあるPROMO’S ROOMによると1月末の発売予定のようです。

ジリオン ZAP-D7000(前面)

ジリオン ZAP-D7000(背面)

ジリオンというメーカーは約10年前のデビュー当時こそ信頼性が心もとなかったものの、以来着実に実績を積んできて近年は評判もよろしいようです。ABS樹脂なので重量も標準的なサイズの一眼レフ用ハウジングで1.6~1.7Kgとアルミ系の他社製より軽く作るようですし。そして何といっても日本(確か東京都杉並区)の会社でメンテナンスに便利なのが嬉しいところです。カラーリングも自在で、お値段も過去の製品から推測するに多分25万円ぐらい。Nauticam(ノーティカム)より8万円ぐらい安くなろうかと。

で、発売2ヶ月弱にしてこれほど対応ハウジングが立て続けに登場するのですから、Nikon D7000は水中カメラとして現在最も有望と言えるでしょう。水中ハウジングは数十万円するわけで、プロやお金持ちでもない限りそうそう買い替えることもできません。加えてハウジングよりも先にカメラ本体が故障するケースも考えられます。その点でも数年後も代替機が入手しやすいベストセラー機種を選んでおくことが、あとあと後悔しない秘訣ではないでしょうかね。

さて、D7000に比肩できるデジタル一眼レフカメラといえば、Canon EOS Kissシリーズぐらいでしょう。中堅機が厚いNikonとは違い、Canonはエントリ機の出来が良すぎるとさえ言われていますよね。

そして新モデルのEOS Kiss x5は来年のCP+(2月9日~、パシフィコ横浜)に合わせて発表されるのではないかと。そうなるとまた機種選択で迷わなくもないです。

CP+バナー

でもまあ、x5がx4とまったく同型のボディを採用していなければハウジングは作り直しになるわけで、そうして半年ごとに登場する新製品を待っていては、いつまで経っても買えません。

一応2月9日まで様子を見て、それまでによほど気になる製品が発表されていなければ私はNikon D7000に決めようと思います。

SONY α55の水中利用はあきらめよう

私は来春の水中デジ一デビューを画策するにあたって、Nikon D7000を機種選択の第一候補に挙げつつも、より小振りなSONY α55に未練があったのですが、ここに来て思いを断ちきりました。理由は純正マクロレンズの仕様です。

αマクロレンズ

SONYのα用マクロレンズはインナーフォーカスではないのですね。知りませんでした。つまり、水中ハウジングに入れて使うとなると、伸び切ったときの長さに合わせた冗長なレンズポートが必要になり、ポートの径次第では撮像の四隅がケラレるのではないかと。実機で試してないので正確なことは解りませんが。かといってマクロ撮影なのにドーム型や極太のレンズポートというのも…。

もっともαはボディ内手ブレ補正機能搭載なので、シグマのマクロレンズ(インナーフォーカスで全長が変わらない)を使うといった方法はあります。でも、ハウジングが現時点ではIKELITE製(日本では入手しづらい)しかないみたいですし、わざわざオーダーメイドってのも。

いや、そもそもSONYのαが水中撮影ではあまり使われてこなかった理由の一つが、こういったレンズの仕様だったのかなと。もちろんNikon&Canonにシェアで大きく水を空けられていた点が最大理由なのでしょうが。

ならば、香港の新鋭ハウジングメーカーNauticam(ノーティカム)がαNEX-5用ハウジングは開発したのにα55用をスキップしてPanasonic LUMIX GH2用を作ろうとしているのも頷けるというものです。つまり、NEXではないαシリーズはお世辞にも水中撮影用に向いているとは言えないという判断が働いたのだと。

まあ、そこそこの性能のマクロレンズさえあれば、私はNEX-5でも良いと思っています。でも、NEX用のマクロレンズは漠然と来年発売がアナウンスされているものの、どの距離になるのかは不明です。1本しか出ないのであれば、おそらく無難な60mm(35mm換算で90mm相当。マイクロフォーサーズ用と同じクラス)ぐらいなのではないかと。これだと私には足りません。

で、結論。α55(そしてαNEXも…)はマクロ系水中カメラとしては不適格。よって選択肢から外すことにします。

というか、2月の前半にCanon EOS KISS X5なんかが出てなければ、やはりNikon D7000で決まりでしょうね。

Nikon D7000用ハウジングがもう一つ誕生

老舗の水中ハウジングブランドNautilusからもNikon D7000用のハウジングが登場するようです。

Nautilus製D7000ハウジング(前面)

Nautilus製D7000ハウジング(背面)

お得意のアクリルハウジングですね。価格は以下の通り。

TypeS:¥98,000
TypeDX:¥149,000
TypeEX:¥169,000

3モデルの仕様の差が解らないのですが、いずれにしてもNauticam(ノーティカム)の1/2~1/3の価格と魅力的。

とは言え、このクラスのカメラには、もっと堅牢な印象の金属ハウジングが相応しいような気がしないでもありません。

そして、NautilusからはPanasonic LUMIX GH2用の水中ハウジングも出ますね。

Nautilus Nikon D7000用ハウジング(前面)

Nautilus Nikon GF2用ハウジング(背面)

こちらはPanasonicでは一応フラッグシップ機の位置づけですが、そこはお手軽さ優先のマイクロフォーサーズ。アクリルハウジングでカジュアルに行くのもいいかもしれません。今のところお値段の表示がないもののNauticamよりは圧倒的に安くなるはずです。GH2の評判はすこぶる良いみたいですし、既存のレンズで納得できるなら、良い選択肢のように思います。

最後に、NauticamのCanon 60D用ハウジングは発売予定が2月にずれ込んだようですね。

Nauticam 60Dハウジングのバナー

ならば同社のGH2用は4月ごろかな。