新しい生命

結局、6月2日(土)と3日(日)は台風3号の影響もさほどなく、波も小さくて普通に潜れました。土曜日の朝は晴れてたし、午後にバケツをひっくり返したようなスコールが降ったものの、それはダイビング終了後だったので。

というわけでこれからしばらく新作写真を小出しにしていこうと思います。

まずは一番の力作から。

卵の世話をするトウアカクマノミ
卵の世話をするトウアカクマノミ

ポイントは恩納村の山田ポイント。日本にいる6種類すべてのクマノミが見られるところですが、私は例によってカクレエビをリクエスト。なのでガイドが連れて行ってくれたハタゴイソギンチャクには確かにアカホシカクレエビやオドリカクレエビがわんさか。

でも私の目を引いたのはイソギンチャクの傍らに広がった一角。卵がびっしり産み付けられていて、親魚が盛んに世話をしていたのですよね。普段私は数十ミリ級の被写体をよく撮っているのですが、これこそがマクロ中のマクロ。一粒は1ミリもないんじゃないかと()。

※ トウアカクマノミの卵は米粒状で長さが2mm程度だそうです

そこでUCL-165M67を装着。実はこのクローズアップレンズを付けるとピントの合う範囲が一気に狭くなるため滅多に使わないのですが、卵は動き回らないので遂に出番です。

そうして撮った一枚の中央だけをトリミングするとこの通り。

卵のアップ
クローズアップレンズUCL-165を装着して撮影

おそらく一両日にもハッチアウトですね。残念ながら目の前で見ることはできませんでしたが。台風一過で駆けつけても、おそらくみんな巣立った後です。

Nikon D7000の拙い仕様を見つけてしまった

沖縄でのダイビング中にNikon D7000カメラを水中写真用に使う場合の拙い仕様を見つけてしまいました。いや、何もD7000に限った話ではないのかも。

この日の3ダイブ目の早々にカメラに挿したSDメモリカードの一枚が不調になり、以後は撮影とプレビュー表示ができなくなってしまいました。コノハガニやキンチャクガニなど私がぜひとも撮りたかった生きものがたくさんいたというのに…。

D7000にはSDメモリカードを二枚挿入できます。そのため私はカードスロット1に大容量のSDHCカード、カードスロット2にEye-Fiカードを入れて使っています。撮った際、RAWとJPEGの両方を作り、一枚16MBのRAWファイルをSDHCに、軽いJPEGファイルをEye-Fi振り分けて保存すると。こうしておけば水中ハウジングを開けることなく写真をiPadに転送できるので。でもそのEye-Fiカードがエラーを起こしたわけです。そしてD7000は片方でもカードがエラーになるとカメラとしてはお終いになるという仕様。

これが陸上ならエラーカードを取り出すだけで解決します。必ずカードを2枚挿さなければならないわけではないので。でも水中ではそれができません。

もちろんエラーを起こしたのはカメラ本体ではなくEye-Fiカードなわけですが、SDカードの故障なんてことは十分にありうる話。それに引きずられてカメラが撮影不能になるというのはいかがなものかと。

というわけでNikonには、カードスロットを複数持ったカメラなら、エラーのカードを見捨てて生き残っているカードのみを使って撮影・保存を続けるようにしたファームウェアをリリースしてくれるよう、要望を出してみるつもりです。

SOLAライトシリーズが飛行機持ち込み対応になっていた!

アンサー野本の水中天国の最新エピソードが公開されています。今回の小ネタはスポックTシャツと例の合い言葉ですね。懐かしい…。

さて、メインのトピックはiPhone用水中ハウジングのi-Patimaですが、個人的にもっと注目なのはSOLAライトシリーズの改良についての言及。簡単に言うと確実に飛行機に乗せられる機構になったようです。前モデルはバッテリーもLEDヘッドも外せない(通電しない状態が作れない)構造だったため、飛行機の安全規定に抵触していたのですよね。

4月のマリンダイビングフェアで訊ねた際、日本の販売代理店であるSea&Seaのスタッフは何も言ってくれなかったので、あの時点では細かい仕様を把握してなかったのでしょうね。

ライトヘッドを外せるようになったため、もし外した際は密閉性に気をつけて組み立て直す必要があります。でも、その作業を行うのは預ける際に注文が付いたときだけ。実際には空港で止めらることなく持ち込めることも多いらしいので、その機会は少ないでしょう。

ああ、機内預けにしたらスーツケースをこじ開けられて没収される可能性がないとは言い切れないので機内持ち込みにすべきですね。

ともかくこれでSOLAライトシリーズも安心して購入できるようになりました。

注意が必要なのは旧モデルと新モデルの見分けがつきづらいこと。そこでラインナップを載せておきます。

  新モデル 旧モデル
ビデオライト SOLA VIDEO 4000 SOLA VIDEO 2000 SOLA VIDEO 1200 SOLA VIDEO 1200
フォトライト SOLA PHOTO 1200 SOLA  PHOTO 800 SOLA  PHOTO 500 SOLA  PHOTO 600 SOLA  PHOTO 500
ダイビングライト SOLA  DIVE 1200 SOLA DIVE 800 SOLA DIVE 500 SOLA DIVE 600

新旧で紛らわしいのがVIDEO 1200とPHOTO 500。でもVIDEO 1200は色が違うので見分けがつきます。新しい方はシルバーです(下図左)。

VIDEO 1200(新) VIDEO 1200(旧)

PHOTO 500の見分け方は…、よく解りませんでした。

せっかくなのでアフィリエイトを貼ろうと思ったものの取り扱いは旧モデルばかりなのでやめました。新しい方の販売はまだ始まっていないのかな。


追記: 6月4日、Sea&SeaがSOLAライトのラインナップを一新しました。これを見ると上記の見分け方は通用しませんね。海外版と少し違うのかな。それとも海外版の写真がたまたまシルバーに見えるだけとか?

安価なフルHD水中ビデオカメラ

先日、SONY NEX-5用の水中ハウジングを発売したサンコーが今度は水中で使えるHDビデオカメラを発売しました。21,800円(税込)。

20M防水FULLHDビデオカメラ

手のひらの中に収まるサイズなので、例えばダイビングショップのガイドスタッフがサービスで水中内外での映像を撮るなんて使いかたにはもってこいかも。

20m防水とは微妙な感じですが、実際はどうなのでしょうね。控えめにうたっているだけで30mぐらいまでいけたりするのかな。20m(3気圧)より深く行った途端に破壊されるなんて造りにできるなら、そちらの方が感心しますし。昔の潜るんです!みたいに深場にいくとボタンが押せなくなるけど壊れたりはしないとかかな?

それにしても、サンコーにはダイバーはいないのでしょうね。それほど防水性を強調していながらサンプルムービーには水中の映像がないので。だったらテストモニターでも募集すればいいものを。「実機一式を1週間貸すので、合計10分以上の動画を撮ってYoutubeにアップすること」とかって条件を付けて。

まあ、そこはいかにも気合いの入っていないサンコーのこと。これのための人件費や手間ひまは発生させず「21,800円なので、人柱感覚で買ってみて」ってなもんでしょうかね。

防水でコンパクトなフルHDビデオカメラの新製品としてはSONYのHDR-GW77Vがあるものの、こちらはお値段が5万円以上する上、水深5mまでの防水耐圧なのでダイビングで使うには別途水中ハウジングも必要になります。

うん、SONYのHDR-GW77Vは川遊びやシュノーケリングの用途向きですね。

だったら、ダイバーはいっそのことフルHD動画撮影が可能なコンパクトデジカメにした方が懸命でしょう。

私の現時点のお勧め機種はこれ。 アフィリエイト広告を貼ってみたものの、辿ってみると実売価格はもっと安価ですね。 Amazon、横着しているなぁ。

超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(3) 撮る』

<<前回(超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(2) モード設定)』

いよいよ撮り方のコツです。合い言葉は「撮っては調整、撮っては調整」。

前回、デフォルトの設定値を決めました。でも、デフォルトはあくまでもデフォルト。当然、上手くいくときもあれば、いかないときも。よってその時々で臨機応変に設定し直してやる必要があります。

ファインダを搭載したデジイチの場合、ファインダを覗いて撮るのが基本ですが、それでも撮影直後の液晶プレビューをONに設定しておきましょう。シャッターを押したら1秒ぐらい液晶画面にプレビューが表示される機能ですね。その分余計にに電力を消費することになりますが、撮った写真の明るさをその都度確認するために使います。

露出が足りない写真
露出が足りない写真 露出が足りないオオモンカエルアンコウの写真。 半透明のカクレエビをくっきり撮ろうとf20にしたままだったので。 まあ、ストロボを炊いておけばRAW現像時に回復できなくはないのですが、 なるべく適性露出で撮りたいですよね

そうして新たな被写体や撮影場所といったシチュエーションが変わるごとに試し撮りして、暗ければ以下のどれかを行います。

  • 絞りを開ける(f値を小さくする)
  • シャッタースピードを遅くする(手ブレに気をつければ1/60ぐらいまでは下げてもいいでしょう)
  • ISO設定値を上げる
  • 外付けストロボの光量を上げる
  • もう少し被写体に近づく(ストロボ光を十分に届かせる) 

どの方法がいいかはその時々で違うのでここでは断定できませんが、上から二つが常道でしょうかね。四つ目は上のような40cm級のオオモンカエルアンコウには使えませんし。 でももし小さい被写体なら、5番目の近づくやり方が有効だったりします。 ともかく「1発OKならラッキー。そうでなくても2枚目からは調整して成功率を上げる」という心構えですね。 これがプロや上級者ならそのときどきで瞬時に適切な絞りとシャッタースピードの組み合わせが判断できるのかもしれませんが、今の私にはまだ無理な芸当なので。

超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(4) デジイチかコンデジか』>>

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