リロアンで潜ってきました

先月のリロアンでは初っ端に怪我してノーダイブだったものの、今回のマクタンでのダイビング二日目にはちょっと足を延ばしてリロアンで潜ってきました。

マクタンのコンチキビーチからバンカーボートを走らせること約30分で目的地に到着。そう、セブ島南端のリロアンではなく、セブ島中東部の別のリロアンです。

ちなみに「リロアン」とは「渦」の意味らしく、フィリピンの地図には何ヶ所も見つかります。

確かこっちのリロアンでは牡蠣を養殖していて、1キロ40ペソ(約80円)とかで食べられるとのこと。

ただし今回のお目当ては牡蠣ではなくハゼ。潜るとふっかふかの白い泥地(粒子が細かく、砂の感触ではない。「シルト」と呼ぶらしい)のあちこちに何種類もの穴居性のハゼがわんさかわんさか、まさにハゼ天国。引っ込ませようが、いくらでも代わりが見つかるので、遠慮なく接近して撮影できました。

ケショウハゼ
ケショウハゼ
カスリハゼ
カスリハゼ
ニュウドウダテハゼ
ニュウドウダテハゼ。20cmぐらいあるダテハゼです
シマカスリハゼ
シマカスリハゼ。一点豪華主義的な背びれは蝶々か蛾みたい
シマカスリハゼ
こちらも多分シマカスリハゼ。地味だから雌かな?
テッポウエビ
巣穴作り中のテッポウエビ

花魁楊子魚の卵

オイランヨウジウオのペア。

オイランヨウジウオのペア

手前の個体がお腹に赤い卵を持っています。こちらがオスです。

オイランヨウジウオのオス

タツノオトシゴはメスがオスのお腹に卵を産みつけ、オスの体内で孵化させます。タツノオトシゴに近い仲間のヨウジウオの場合もメスがオスのお腹に卵を産み付けるのだとか。

トゲトゲツノツノメ

今回のマクタンでのダイビング初日、「何が見たい?」と訊ねられたので、すかさず「トゲツノメ」と答えました。トゲツノメエビ、ここ2年くらいずっと見たかったのですよね。

で、1ダイブ目、ヒルトゥガン島の近くのとある場所に直行。昨年の12月、ピグミーシーホースの団地に直行したのと同じパターンです。そうして、いきなりトゲツノメエビにご対面。やっぱ持つべきものは頼れるガイドへの伝手ですね。

ありがたいことにトゲツノメエビはピクミーよりもずっと浅いところにいます。しかも、この日はゲストが私一人だったのでトゲツノメエビだけを20分以上独占して撮ってました。

トゲツノメエビの雌
やや丸みを帯びているので雌らしいです

ちなみにトゲツノメエビはこんなサイズのエビです。

トゲツノメエビのサイズ
体長は20mm弱ってところ。私は撮ってて一番楽しい被写体サイズです

さらに三日目。この日は超ビギナーのゲストが二人。こういうときの定番コースもヒルトゥガンなので私も一緒に潜ることに。2ダイブ目、ビギナー達が30分かそこらで船に上がったらいよいよ私の時間。またトゲツノメエビを独り占めの撮影タイム。

トゲツノメエビの雄
こちらはトゲトゲ感が強いので雄

結局、足掛け二日で50分ぐらいをトゲツノメエビ撮りに費やし、200枚ほど撮りました。一人で来るとこれができていいのですよね。おかげで撮影のコツも掴めたし。

ただ大型の台風9号が行った直後だったので波は高め。水中もうねっていて体の固定は大変でした。トゲツノメエビ、海が穏やかなときにもう一度撮りに行きたいと思います。次は短時間でベストショットが撮れるはずだから2〜3人なら連れてってもいいかな。希望者がいればどうぞ。

セブに避暑に行ってきます

東京はくそ暑いので今日からセブに涼みに行ってきます。気温はさほど変わらない(東京の方が少し高い)ものの湿度が低い分、あちらの方が過ごしやすいのですよね。まあ、実のところマイレージで行く関係で日程が限定されてこの時期になっただけですが。

ちなみにセブは東京よりも体感的に涼しいけど、インドネシアまで南下するとどうしようもなく暑かったりします。

さて今回は一人旅。無論、行きつけのダイビングショップ(もちろんミリ単位の被写体を見せてくれるマクロ写真派御用達の)を使います。運が良ければゲストが自分一人に対して目利きのガイド3人という体制で潜れるでしょう。レアだったりフォトジェニックな生き物が見つかる度に三方からお呼びがかかる嬉しい悲鳴のパターンですね。

前回も一人で行ったので、リクエストを出して2日連続でピグミー団地(8匹のピグミーシーホースが付いた1枚のシーファン)で粘ったり、体長15mmのニシキテグリの幼魚などを独り占めできました。

ニシキテグリの幼魚(15mm)
ニシキテグリの幼魚(15mm) 諸星大二郎さんの漫画に出てくる妖怪みたいな毒々しいカラーリング

マクタンの海はそれこそ沖縄と比べてもそういった生物の個体数が目に見えて多いのでマクロ写真の練習や作品作りにはうってつけ。私もあの海に通うことで写真の腕前を飛躍的に向上させることができました。それでもまだまだ修業中の身ですが。

先日、久しぶりに再会したかつてのダイビング仲間は「わざわざ海外にマクロダイビングに行くなんて」と言いますが、私からすると逆です。国内では望めないほど充実したマクロダイブが楽しめるからこそ海外に出向くわけです。水温が高く1ダイブ60分越えでも平気で潜っていられますしね。伊豆あたりで透視度が悪いがために消去法的にマクロダイブになるのとは根本的に違います。

てなわけで今回もいい写真がたくさん撮れますように。

人の好みは千差万別

週末、かつてのダイバー仲間との飲み会がありました。メンバーの大半とはご無沙汰だったものの、皆元気にダイビングも続けていて何よりです。

ただし、会うことのなかったここ2年ぐらいの内に私の立ち位置がマクロに定まったのとは裏腹に、彼らの多くは典型的なワイド指向。「粟国島でギンガメアジのトルネードが…」「ハンマーが…」「イソマグロの群れが」などと話していましたね。

一人なんかは私に対して「外国にまでマクロダイビングに行く気持ちが解らない」とも。彼には「南国リゾートは大物を見に行くべきところ」という認識のようです。

でも私にしてみれば、マクロ生物を見るため、写真に収めるためにフィリピン、マレーシア、インドネシアあたりに出向くのは至って当然のことなのですが。ギンガメなんかはどこで見ても代りばえしないと思うし。

私の代表作のカエルアンコウ
こんなにキュートなカエルアンコウの幼魚よりも…
バラクーダのトルネード
バラクーダのトルネード写真なんかに食いつかれては悲しいものがあります

もちろん誰が水中の何を好きだろうが構わないわけです。スキューバダイビングはそれだけ奥行きが広いレジャーということでもありましょう。

ただまあ、そうまで指向性が違ってくると、この先はもう彼らと一緒に潜る日は来ないかもしれません。私の1個の根で60分みたいなマクロフォトダイブにつき合わせれば彼らは退屈するだろうし、私は水中を長々と泳ぐダイビングが大嫌い。地形ダイブに至っては、何が面白いのかまったくもって理解できません。

いや、リロアンやシパダン方面など、マクロもワイドも両方が充実している海だったら折衷できなくはないかな。