驚くべき新製品は発表されたのだろうか?

昨夜(厳密に言うと今日)はうとうとしながら午前2時からAppleの新製品発表会のストリーミング中継を見ました。感想は「あれっ?それだけなの?」。どうにも拍子抜けした感じで。

今回、久々にApple自身が中継を行う(かつてQuickTimeでストリーミングをサポートした頃にはやっていたような記憶があります)ということで、さぞ気合いの入った発表があるのだろうと踏んでいたのですが、フタを開ければ総じて当たり前の新製品ばかりだったなぁと。自社でのストリーミングは、それこそ新Apple TVサービスの実証実験を兼ねるのだろうと。

もちろんフルモデルチェンジとなったiPod、小さくなったApple TV(ケーブルを繋ぐとコケそうだ)、SNS対応を果たしたiTunesなど、どれも決して悪くないとは思うものの、ほとんど事前のリーク情報通りでしたし、この内容だと誰も驚かないですよね。

ってことは、まだタマは残してあるのでしょうかね。とは言えクリスマス商戦に投入するためには来月中には発表しておきたいところでしょうから、もうしばらくお財布に余裕を持たせながら待ってみることにしましょう。

電子書籍の時代は本当に来るのだろうか?

オンザウェイ・ジャーナルの佐々木俊尚さんの回(2週目)を聴きました。前回同様、過渡期にあるメディア論は大変興味深かったのですが、中でもちょっと気になった点が。それは「村上龍さんの『歌うクジラ』の電子書籍は、横書きにも関わらずぜんぜん読みやすい」との見解。いや、もちろんここで語られているのは佐々木さん個人の感想に過ぎないのですが、それでもきっとそうなのだろうなと。なにしろ今日の日本語の文章には横文字が多々含まれているわけです。古典文芸書などはともかく、今どきの社会的な背景の文章には断然横書きの方が向いているはずです。

で、今さらなぜそんな当たり前のことを書くかというと、電子書籍の主役的なフォーマットであるePubの難点として「ルビが表現できない」「縦書きができない」という意見がよく聞かれるから。

確かにルビは日本語の書き文字文化を豊かにしてくれる重要な要素となっています。もし仮に人気漫画「ONE PIECE」なんかをルビ禁止にしたら面白さが目減りしてしまうような気がします。人の名前にしても、平易に読める字しか使ってはいけないとなると、何とも味気ないことになりますよね。

でも、縦書きの方は、そんなに必須というわけではないんじゃないかと。古典文学や文芸書が横書きでは雰囲気がそがれる思いを抱く人は多いかもしれませんが、誰もが目にしたことがある教科書を始め、横書き文書はそこら中に溢れているわけですし、慣れればどいうとうこともないのではないかと。事実、IT用語のように英数字が混在する今どきの文章では、むしろ縦書きは不利なわけです。中国なんかでもとっくに縦書きから横書きに切り替えてしまってるそうですし。

結局、ePubの縦書きうんぬんは言い訳として便利に使われているだけなんじゃないかという気がしています。皆ケチやら注文を付けたいんじゃないかと。

例えば出版社や著作者は、電子書籍による収益性が未知数、もしくは懐疑的、あるいは受け入れがたいほど厳しそうなので、なるべく先送りにしたい。そしてIT側に身を置く人は、様子見の方便に使っているか、あるいは来るべき日に自身が有利に立ち振る舞うべく表向きは牽制しているとか。「日本ではまだまだですねぇ」などと言いつつも裏では着々と対応を進めているような。

そして、「ルビ振りと縦書きさえできるようになりさえすれば…」を真に受けて、キラー的なニーズと捉えようものなら痛い目に遭いそうな気がしないでもないです。案外、それらが実現しても、やっぱり日本の電子書籍市場は、ごく一握りの有名作家(紙でも電子でも売れるような)の作品のみが売れる程度という状況が続く可能性もあるのではないかと…。

ケータイのトリセツが薄くなっているのだそうな

asahi.comで『携帯電話の説明書、スリム化 「使えばわかる」主流』にという記事を見つけました。私は以前、いわゆるトリセツの制作を専門的に請け負う会社に勤務していましたので、ちょっと気になります。

と言うのも、私が見聞きした限りでは、たいていのトリセツはメーカーと守秘義務契約を結んだ制作会社で制作されており、制作費の請求額は基本的に「ページ単価(ランク分けあり)×ページ数」で算出されていたからです。これにライティングの有無(原稿支給かライターに書き起こさせるか)や、どれほどのクオリティの写真やイラストを作成するか、といったオプション要素が加わることになりますが、おおむね売り上げはページ数に比例することになります。

この記事によると、最近のdocomoケータイのトリセツは以前の500ページ規模から120ページ程度に圧縮されたとのこと。実際、トリセツは「製品構成の中で最も高価な部品」だったりするため、メーカーとしては是非ともそのコストを削減したいところなのでしょう。だとすれば、トリセツ制作会社の関連部門の売り上げも以前の1/4に減っているやも知れません。

余談ですが、一昨年iPhone争奪戦でdocomoが敗れた理由として「docomoが各ケータイメーカーに500ページ規模の紙トリセツの添付を義務づけていて、これをAppleが嫌ったからだ」という噂がありました。真偽の程は解りませんが…。

ケータイで言うならば、市場が飽和して久しく、新機種投入のサイクルもますます長くなっていくでしょうから、制作会社はこの先ダブルパンチで収益性が厳しくなりそうです。かつて苦楽をともにした元同僚が苦境に立たされることがなければいいのですが、国内の製造業は向こう数年の内にも産業規模が半減するのは避けられなそうなので、もはや難しいかも知れません。

もっともトリセツの厚みが減っている理由はコストの圧縮だけでなく、記事にもあるように、むしろ「使えばわかる」「トリセツを必要としない製品作り」がメーカーに求められている結果とのこと。近年、紙っぺらのトリセツしか添付されないiPod、iPhone、iPadなどのApple製品が次々にヒットし、多くの人が「これでいいんじゃやないか!」と悟ってしまったわけです。パソコンのMacですらそれで成り立っているのですから、いまだに分厚いトリセツを添付している製品は野暮ったく見え、メーカーはその方面の力が不足していると受け取られ兼ねません。もちろん製品が使いにくいままトリセツを減らすのは論外ですが。

まあ、メーカー各社がトリセツいらずの製品作りに注力するのはとても良いことです。いつまでもAppleに周回遅れでは拙いでしょう。各社横並びでひたすら高機能を追求し、帳尻を合わせるようにトリセツで使い方に言及しておくというガラパゴス指向から抜け出さないと、それこそ命取りになり兼ねません。

そのAppleにしても紙のマニュアルへの取り組みはそんな感じですが、代わりに動画をきっちり用意していたりします。これが最良解だとすると、この先メーカーにしろトリセツ制作会社のスタッフにしろ、要求されるスキルは変わってきますね。今までのように誤字脱字、語句統一などに神経をとがらせるエディットリアルよりも、動画と音声で簡潔に伝える感性やスキルが重視されるのではないでしょうか。 実際、紙の上で図と文章で説明するのはかなり回りくどい方法だったりしますし、オンライン動画であれば製品リリース後も継続的にメンテナンスしていくことも可能です。

メーカーにとって、もはやパソコンとセットで使う製品、液晶パネルやテレビ出力を持った機器類では、分厚い紙のマニュアルを付けた時点で負け、失格と捕らえた方がいいです。ワークフロー的にも、先ず製造部門が主導で製品を作り、製品リリースの直前になってトリセツ部門が突貫敵にトリセツを整えるといった開発手法は許されなくなるかもしれません。

PagesでePub出力が可能に

本日、PagesのアップデートでePub出力がサポートされました。iBooksがePubを採用している以上いずれそうなると予想はしていたものの、次期バージョンでの対応だろうと思っていたので意外でした。

Pagesのアイコン

それにしてもePubの作成ツール、いつの間にか増えましたね。ざっと挙げるとInDesign、Sigil、FUSEe、Calibre、ECUB、Word 2 ePub、Aspose.Words for Microsoft Word、Pagesなど。探せばまだまだたくさんありそうです。PDFをePubに変換するタイプとしてもStanzaや4Videosoft PDF ePub 作成なんてものが検索でヒットします。もちろん今風にWebサービスも見受けられます。

何というか、WinとMacの最有力ワープロでePubが生成できるようになったことで、日本ではまだ市場が立ち上ってすらいない内から、早くもこの分野は飽和状態のような気がします。そもそもePubとは圧縮やら文書構造の明示やらにややこしいルールがあるものの、本体は10年前のHTML生成ツールで事が足りそうな代物です。一応、CSS3を駆使すれば高度なレイアウトも実現できるとのことですが、それではePubに求められているものとは違ってくるような気がします。Pagesでもページレイアウトされた文書からのePub生成はできなくなっていますし。

私も独自のePub生成ツールの開発には興味があったのですが、もしこれから新たなePub生成ツールをリリースしようと思えば、それは「車輪の際発明」みたいな話になりかねませんね。実際にはInDesignにしろ何にしろ、車輪ほどの定番感、枯れ具合はないわけですが、それでも「タイヤは26インチよりも25.5インチの方が便利なはずだ…」みたいな、いかにも頼りない僅かな差違でもって差別化を試みなければならないかもしれません。ちょっと見込みが薄そうです。

詐欺メール

今日、iPhone宛てに妙なメールが届きました。まあ、早い話が詐欺メールですね。当然、無視しますが、ひょっとしたら誰かが不安感をかき立てられているかも知れないので、全文を掲載しておきます。検索してヒットしたら詐欺なのだと安心してもらえるかと。

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担当の浅野と申します。
早速ですが、本題に入らせて頂きます。

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