先日、「中小企業診断士事務所」を名乗る方から以下の内容のメールが寄せられました。
お世話になります。
中小企業診断士事務所○○の○○と申します。XORサービスを 最新AI技術を活用した問合せフォーム営業で、
【300社分 無料で営業代行】させて頂けないでしょうか。貴社サービスに似たサービスで高い効果が出ており、
是非一度お試し頂けないかと思いご案内させていただきました。●OpenAIを活用したフォーム営業
AI技術を活用し、300社それぞれの会社内容に合わせた個別文章を送信します。
それにより個別営業と大量送信の両立が初めて可能になりました
新しい効率的な営業を是非試してみてください。なお、リスト作成・文面作成・送信(手作業)まで、中小企業診断士がすべて対応しますので
貴社で対応して頂くことは、サービスの概要をヒアリングさせて頂くだけです。「PDF比較サービスのお客さんをもっと増やしたい」
「web広告やDM等 他の営業を試したけど上手くいかなかった」このようなお悩みがございましたら、
まずは300社無料で最新の問合せフォーム営業を試してみませんか。●無料で300社分のフォーム営業を代行いたします。
手作業で送信するため【5社/月限定】となります。
集客したいサービス・商品をもとに、御社の新規開拓戦略を一緒に考えさせていただきますので、
ご都合の良い日時をご返信頂くか、下記の日程調整ツールよりご予約頂ければと思います。
そこでコンタクトを取り、Zoom面談の機会を作ってもらいました。
面談からの流れ
面談によると、先方のサービス内容はこんな感じだったかと。
- AIで抽出した見込み客企業3,000社に対する問い合わせフォーム営業を98,000円で請け負う
- 3,000社の内、1%にアポイントが取れ、その半分の企業と契約が成立すれば…
なるほど、先方からの提案も、XORの問い合わせフォームから寄せられたものでした。そのスキームを使ったのですね。
先方に対して、私がXORの概要、ターゲット、導入効果や可能性、他社製品との違いなどを説明し、先方の「それでは検討します」という言葉で面談終了。
その後の展開
後日、先方から「検討した結果、98,000円に見合う成果を出せそうにない」との連絡をいただき、当初提案された300社分の無料営業代行も実施されませんでした。
残念だけど、無理もない気もします。XORは月額2,000円のサブスクリプション。アプリの売上だけで98,000円を支払うには、5ユーザー獲得で11ヶ月以上(初月は無料なので)の継続契約が必要になります。10ユーザーでも6ヶ月以上です。実際にはMac App StoreとMicrosoft Storeの手数料も引かれます。それが達成できなければ営業収支マイナスなわけです。
しかもXORのターゲットは大手印刷会社の制作部門というよりも、中小の制作会社スタッフや個人の制作者。最新のAIも法人はピックアップできても個人にはなかなかアプローチできないだろうと。
問い合わせフォーム営業の見込み
それに、入力フォーム営業は自分も以前に試みたことがあります。AIは使わなかったけど、Web検索で見つけた目ぼしい企業にXORの営業文を送ったものの、効果は乏しかったと記憶しています。
第一、問い合わせフォームを送信しても、対応するのは制作スタッフではなく営業部や経営者ではないかと。そして、過去には印刷会社の管理職の方から「PDF比較ならAcrobat Proで十分では?」と言われたこともありました。でも、現場の制作スタッフにとっては、単に比較機能があることと、日々の校正業務に適していることは別問題です。問い合わせフォーム営業では、その違いを理解できる人まで情報が届かない可能性があります。そうなると、新規ユーザー獲得には至りません。
さらに言えば、問い合わせフォームは自社の商品やサービスへの窓口であって、営業文の類いは一歳無視するポリシーの会社も多かろうと。
まあ、XORのような低価格サブスクリプションアプリとは相性が悪いだけで、他の目的では効果を発揮しうるサービスなのかもしれないけど、問い合わせフォーム営業というビジネスモデルがちょっと安易な印象を受けました。


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