ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選挙に勝ちました。下馬評ではヒラリー・クリントン氏が優勢だったのでトランプ勝利を言い当てた人は勝ち誇っているけど、所詮は二択だもんな。
で、「トランプ氏の毒舌はあくまでも選挙戦略で、当選したら豹変するから大丈夫」なんて言う向きもあったけど、問題はそこでないですよね。彼自身は真っ当な路線に切り替えられるとしても、彼の言動に煽られて熱狂した半分の有権者たち、特に今のアメリカ社会に不満を持つ層は移民やら宗教に関して焚きつけられてしまったのだから、要らぬ火種を植え付けてしまいました。
格差が広がり暮らし向きが悪くなっていると感じる人たちが変化を望んだのは解らなくもないけど、人間生きていれば思想や価値観の違う他者と何かしら折り合いをつけながらやっていく必要があるもの。トランプ氏のこの勝利は禁じ手によるものだったと思えてなりません。これがきっかけでテロや暴動の多発などの治安問題に発展しなければと願うばかりです。
それにしても一介の実業家がいきなり世界最強国の元首になるのは有史以来初めての出来事ではなかろうか。2200年前の秦の呂不韋にしても、相国と呼ばれる関白みたいな権力者止まりだったわけだし。これをアメリカン・ドリームといえばそうかも知れないけど、私の感想は「何だ、アメリカもフィリピンと変わんないな」です。本当にこれでいいんでしょうかね?