東京には死亡フラグが立っている

81Padm7L7nL._SL1500_10月からアマゾンの電子書籍販売にも消費税がかかることを知っていたので、読みたかった本を9月の内に数冊買いました。その中の一冊が『東京劣化 地方以上に劇的な首都の人口問題 (PHP新書)』です。

私は満員の通勤電車に乗ったり台風で帰宅困難な場面に出くわすたびに「ああ、東京の繁栄は続かないだろうな…」と思っていました。台風に対する交通インフラの弱点はしかたないとしても、人口の過度な密集は深刻な問題だから。そこで東京劣化を読んでみた次第です。

この本に書かれている「やってはいけないこと」には納得のいかない部分も多々あるけど、「そう遠くない将来、東京圏がボロボロになっていく」という予測に関しては疑いようがありません。

いや、今の東京は一人勝ち状態。地方の衰退を尻目に繁栄を続けているので急激な凋落なんんかなさそうに見えます。例えば再びIT企業の集積地となりつつある渋谷では再開発が進んでいたり、東京駅前には245メートルの超高層ビルが建ち、リニア中央新幹線も開通します。湾岸の高層マンションだって飛ぶように売れているし、よほどの大災害でもなければこの先も東京は日本の政治経済の中心地であり続けるはずです。

ただし問題は長年の一極集中によって東京圏には高齢者とその予備軍がすさまじく多くなってしまったこと。そのため10年後には過去半世紀の経済を支えてきたボリュームの大きい層が軒並みリタイヤして所得税を払わなくなります。いわゆる「2025年問題」というやつですね。しかも東京の持ち家率は50%以下なので生活困窮者が激増することは必死。お金を使えない人が多ければ当然経済は低迷するので自治体の財政状況は瞬く間に悪化していきます。

それでも行政コストを効率化すべくコンパクトシティを目指せればいいのだけれど、「全住民を都心に引っ越させて多摩ニュータウンやら古い団地をことごとく打ち捨てる」なんてことは不可能です。特に道路などは放置して寸断させるわけにはいきません。

ただし財政に余裕がなくなれば十分なケアはできなくなるもの。この本では東京でも2030年頃にはインフラを維持管理できなくなると予想しています。わずか15年後です。しかも経済状況次第では早まる可能性もあります。住民に課される税負担は増えるだろうし、保守の優先度が下がった街では治安も悪くなるでしょう。

そして辛いのは効果的な対策がなさそうなこと。なにしろ元凶がいびつな人口構成なので。シリア難民とかから若い世代ばかり選別して何十万人も受け入れれば高齢化を緩和できるけど、それには相当な金額の支援が必要になってしまいます。かといって地方にももはや労働力の供給余力はありません。八方ふさがりです。

比較的人口が少ない地方の衰退が緩やかだったのに対し、巨大都市である東京圏では劣化が急速かつ苛烈に進みます。それでも東京圏に住み続ける人は住環境が急激に悪化していくのを甘んじて受け入れるしかないですね。これまでの無理やりな繁栄の副作用なのだから。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください