SoftBank(docomoもauも)のiPhoneの場合、端末の割賦購入代金が月々割で相殺される実質0円です。以前は私もこれが有り難い制度だと思っていました。ガラケーの頃は最新機種への機種変更の際に何万円か払っていたので。
でも、今となってはこれこそが罠のような気がしています。なぜなら24ヶ月の満期を過ぎても月額利用料は変わらないから。SoftBankのiPhoneを使う限り、約7,300円〜(通話なし・あんしん保証パック契約なしの場合)を延々と払うことになります。累計金額は2年なら約18万円、3年で約27万円、4年だと約36万円にも上ります。
そこで通話可能なMVNOのSIM(データ通信量1GB/月)との支払い額合計を比較してみました(100円未満切り上げ)。
なお、MVNOのSIMへの乗り換えに関しては初期費用として以下をカウントしています。
- 中途解約料:10,260円
- MNP転出手数料:2,160円
- SIM購入代金:3,240円
- SIMロックフリー版iPhone:73,224円
また、端末12回払いはアップルストアが現状通り12回まで金利無料のキャンペーンを行った場合の例です。
支払い月 | SoftBank | MVNO SIM | MVNO SIM |
---|---|---|---|
(端末一括払) | (端末12回払) | ||
初期費用 | 0円 | 約89,000円 | 約15,800円 |
1ヶ月目 | 7,300円 | 91,200円 | 24,100円 |
2ヶ月目 | 14,600円 | 93,400円 | 32,400円 |
3ヶ月目 | 21,900円 | 95,600円 | 41,700円 |
4ヶ月目 | 29,200円 | 97,800円 | 49,000円 |
5ヶ月目 | 36,500円 | 100,000円 | 57,300円 |
6ヶ月目 | 43,800円 | 102,200円 | 65,600円 |
7ヶ月目 | 51,100円 | 104,400円 | 73,900円 |
8ヶ月目 | 58,400円 | 106,600円 | 82,200円 |
9ヶ月目 | 65,700円 | 108,800円 | 90,500円 |
10ヶ月目 | 73,000円 | 111,000円 | 98,800円 |
11ヶ月目 | 80,300円 | 113,200円 | 107,100円 |
12ヶ月目 | 87,600円 | 115,400円 | 115,400円 |
13ヶ月目 | 94,900円 | 117,600円 | 117,600円 |
14ヶ月目 | 102,200円 | 119,800円 | 119,800円 |
15ヶ月目 | 109,500円 | 122,000円 | 122,000円 |
16ヶ月目 | 116,800円 | 124,200円 | 124,200円 |
17ヶ月目 | 124,100円 | 126,400円 | 126,400円 |
18ヶ月目 | 131,400円 | 128,600円 | 128,600円 |
19ヶ月目 | 138,700円 | 130,800円 | 130,800円 |
20ヶ月目 | 146,000円 | 133,000円 | 133,000円 |
21ヶ月目 | 153,300円 | 135,200円 | 135,200円 |
22ヶ月目 | 160,600円 | 137,400円 | 137,400円 |
23ヶ月目 | 167,900円 | 139,600円 | 139,600円 |
24ヶ月目 | 175,200円 | 141,800円 | 141,800円 |
36ヶ月目 | 262,800円 | 168,200円 | 168,200円 |
48ヶ月目 | 350,400円 | 194,600円 | 194,600円 |
60ヶ月目 | 438,000円 | 221,000円 | 221,000円 |
72ヶ月目 | 525,600円 | 247,400円 | 247,400円 |
この通り、1年半後には支払い金額の累計が逆転し、それ以降は長く使えば使うほど差が開いていきます。5年後には2倍です。
同じ端末を5年も使うかと思うかもしれないけど、今秋発売が見込まれるiPhone 6には遂にNFCが載ると噂されています。それが実現すれば、その先のハードウェアの進歩は小幅なものになるでしょう。パソコンがいつしかそうなったように、せいぜいチップ性能が上がるとか、消費電力が減るとか、本体が薄く軽くなるとかに留まろうかと。
つまり、今年iPhone 6を買うと、来年以降にiPhone 6sやiPhone 7が出ようとも買い替えようと思わなくなる可能性があります。パソコンなんか壊れるまで何年も買い替えませんよね。もちろん私の想像が及ばない画期的なハードウェアの進歩がないとは言い切れないけど、それでもiPhone 6に満足するなら、ヘタったバッテリーを2年ごとに交換しつつ5年以上使うなんてことも考えられます。
もっともこの比較例が当てはまるのは、普段の通話が少なく、月のデータ通信を1GB以下に抑える覚悟のある人に限られますが、MVNOのサービスは次第に向上して行くでしょうし、街のWi-Fiも着実に増えていくので、二つ目の方の不便さは緩和されていくでしょう。
そして私と同じような考えの人も少なくないはず。もう必要最小限のサービスでいいからスマホ代を安く上げたいと。
今秋はスマホ業界のターニングポイントになるような気がします。少なくともハイエンドなスマホ市場の飽和状態、成熟期への突入、買い替えサイクルの長期化やローエンド端末の台頭などが顕著になるという感じで。