自分が小さいと感じるとき

残念なことに私には「人として器が小さい」という自覚があります。嫌なことがあろうものなら負の感情にとらわれやすいのですよね。それが不可抗力的なことであっても。

例えば私のダイビング関連の知人に要注意人物が一人います。彼は年齢が私よりも少し上で所得の方ははずっとずっと上。なぜ知っているかというと本人が額を公言していたから。尋ねたわけでもないのに、彼はことあるごとに《自身はリッチなんだ!アピール》を会話にねじ込んできます。こんな感じの。

  • 私のダイビング機材はh.u.b.といってみんなのよりも高いやつで…
  • 私のカメラセットは一眼レフで君らの一ヶ月分の給料でも買えない値段だ
  • 私のクレジットカードには限度額の制限がない
  • 車は5台持っている
  • 1,500万円の車を買った
  • 家は2軒あるから老後の心配もない
  • 蓄えはン千万円もあれば十分じゃないか
  • 飛行機はいつもビジネスクラス
  • 今度モルディブに行きます。ツアー代が30万円。ビジネスクラス代が20万円
  • よく行くランチは叙々苑。なぁに、一人2,500円もあれば食べられますよ

などなど。

もちろん私とて彼に対して羨ましい、ねたましいという感情は持っていません。そうすることが無意味で馬鹿げていると思えるぐらいの分別は私にもありますので。仮に立場が入れ替わったとして、高額所得者たる彼の業務を自分がこなせないだろうことも解っていますし。

ただし、ちょっと油断していると毒気にあてられ、それっぽっちのことで感情を乱されてしまう自分に気づいてへこむ瞬間があるのですよね。

原因は彼との経済的な格差を思い知らされたから?いや、そうではなく、彼の露骨な《見せつけてやろう》《どうだ凄いだろう》の攻撃にまんまとウンザリさせられてしまっている点です。「親密でもない他人の金持ち自慢なんか笑って聞き流していればいいのに…」と。

ほんでもって昨年九月、彼がフィリピン航空のストライキでもって潜れないのにボホールで一日延泊の足止めを食らったと聞いたときは、ふり掛かった不運を少し愉快に思ってしまったし。

5mmクラスのチビカエルアンコウ
私の器は5mmのチビカエルアンコウ並に小さいです…

なお、彼の他にもお金持ちのダイビング仲間は何人かいるものの、皆さん発言は謙虚だったりします。真のお金持ちほど慎ましやかなものだとも言われますが、毎月のようにリゾートに潜りに出かけ、やはり飛行機はビジネスクラス、ホテルも常に一人で高い部屋を取るような人でも、普段の会話では決してそれをひけらかそうとはしないので嫌みもなく付き合いやすかったりします。そいういう人は格好いいと思うし、素直に憧れる対象となっています。

でも、そうではない人とうまく折りあっていかれていない自分はまだまだだ人間がが小さいよなぁ。

家を買うって?

友人の一人がマンションの購入を検討しています。すばらしい。私にはとても真似できないことです。なにしろ10年後の所得が今の水準を超えているどころかキープできている自信がないので。もちろん大きな資産もありませんし。

確かに住宅ローンを始めるなら早い方がよくて、月々の支払いも賃貸住宅の家賃より安く設定できるかも。もし転勤となった場合も所有したまま貸し出すことができましょう。

ただしこの先の日本に待ち受けていることの一つは人口減少と高齢化社会の顕著化です。経済規模が縮小するのはもちろん、特に住宅用の不動産は供給過多になるのではないかと。そして需要には二極化が進むでしょう。都心の人気物件ならともかく、私でも手が届きそうな郊外の物件なんかは…。

また、半世紀に渡り日本経済を支えてきた製造業(特に電気の)がここにきて痛んでいます。エコポイントという麻薬も切れてしまいました。せめて未曾有の円高が収まればという思いはあるものの、この先円が大きく安くなるということはマネーの行き場として日本が魅力的ではなくなることを意味します。ジレンマですね。自身が倒れれば待望の円安がやってくるかもしれないという。

いや、アメリカで政権交代が起きたり欧州が奇跡の急回復を遂げるなどして日本の凋落ではなく外的な要因で意外に早く円安に振れることがあるかもしれません。でも、グローバル競争の中で新興国が力をつけてきた以上、製造業界が今の雇用規模を保つことは不可能でしょう。本当に競争力を保てる分野を残して、かなりの縮小を強いられると思います。段階的であれ数十万かそれ以上の人材が大手メーカーの庇護から外れようものなら、またデフレは深刻化しかねないですよね。ほとんどみんなの所得と購買力が下がるのだろうし。

さすがに公務員だけは安泰、ともいかないでしょう。経済がより深刻化するにつれ今よりも公務員バッシングの声は高まるでしょうから。Tax EaterがTax Payerよりも報酬や年金面で勝っているオーバーウェイト経済をいつまでも続けられるわけがありません。

あんまり悲観的になるのはよくないと思いつつも、私には日本経済がこの先いっそう厳しい局面に突入する気がしてならないのですよね。

もっと言うと住宅ローン期間の向こう20〜30年といったスパンで考えると、その間の大震災の懸念もないわけではないし。今の保険や公的な救済策はどれだけ頼れるのでしょうかね。新しい物件は耐震にも優れ、自宅周辺が甚大な被害に見舞われる確率はかなり低いとしても、無傷か軽微なダメージでやり過ごせる保証はどこにもありません。心配性に過ぎるかもしれませんが、家賃支出をローン支払いに替えれば合理的だったのが、ある日を境に失った資産へのローン支払いと新たな家賃支払いのダブルになる危険性は否定できないだろうと。

ああ、いい流れのインフレが起これば住宅ローンの返済も楽になるかな。でも、経済が縮小していく中でそんなに都合良くいくわけがないような…。

うん、やっぱ私は家は買えないです。ローンの額面は据え置きで所得が減ろうものなら私の財力では持ちこたえられないし、先々売ろうにも貸そうにもローン残高には見合わなかったりする公算が高いと思うから。

まあ、他者の価値観に口を挟む気もありませんが、いずれにせよその時々で分相応の住宅に住まう方が私の性にも合っています。

ダンゴウオ本

Amazonで「ダンゴウオ」と検索するとこちらの書籍がヒットします。

どう見ても魚類やスキューバダイビングとはまったく関係がなさそうな本ですが、タイトルをカタカナで表記すると「ダンゴウヲボウシスル ジチタイノ ニュウサツカイカク」。

なるほどね。 「汚職事件」と「お食事券」、「薬剤師」と「ヤクザ医師」みたいなものか。

東電を破綻処理しないと日本が破綻する

経済産業省で干されている改革派官僚の古賀茂明さんによれば、東京電力を破綻させなかったことの本当の要点は、一向に収束しない事故原発や遅々として進まない被害者救済、それでいて東電がのうのうと存続していることの不条理さもさることながら、この先我々が払う電気代が際限なく値上がりする可能性が高いということだそうな。

事故当時、放射性物質を含む汚染水を海に流してしまったことで先々近隣諸国から莫大な損害賠償を請求されることが予想されるものの、当事者である東電を破綻させていないために無限の賠償義務を免れないと。

しかも電気料金は法律に基づいて自動的にコスト+利益で算出するため、損害賠償の分が我々の電気代に無限に上乗せされてしまいます。おまけにその利益分はコストに対する割合計算なので賠償額が大きくなればなるほど東電の儲けも増えるという、とんでもないからくりだったりします。

つまり、先の東電救済法案によって日本は国全体が東電の連帯保証人になったも同然なわけです。しかも東電の賠償義務は数十兆円規模にも上る可能性があります。

まあ、さすがに電気代が何倍にも値上がりすれば家計も企業も立ち行かなくなるので、東電が賠償で焼け太りする前に日本の経済が破綻するでしょうが…。

いつ、どこの国からどれぐらいの賠償請求がなされるかは不明ですが、そうされてからでは遅いので、早急にやり直して速やかに東電を破綻させて賠償能力がない状態にしておかないと。

さもなくば「東電守って国は滅ぶ」ってなことにもなりかねませんや。

国家公務員宿舎は全廃しましょうよ

朝ズバッ!ロゴ

朝ズバッ!ロゴ

今朝TBSの『みのもんたの朝ズバッ!』を見ていたら、埼玉県朝霞市の米軍基地跡の緑地に国家公務員宿舎建設(建築費104億円)が明日にも着工されると報じられていました。かつて事業仕分けでストップがかかった案件のはずなのに…。

番組では「せっかくの自然を壊すな」的な地域住民のメッセージが強調されていたと印象ですが、その地に縁のない私が気になるのはいわゆる既得権益が拡充されようとしていること。高度成長期ならともかく、終わりのない不況、財政難の時代にありながらTAX EATERがまたぞろ税金で特権階級的な優遇を推し進めようとする姿は異様だと思います。

折しも増税を掲げて党首選を勝ち抜いた野田氏が総理に就任したわけですが、こういうことがほぼ水面下で行われているから国民は政管に不信感を抱いて消費税増税にも否定的になるのですよね。「増税を言い出す前に身ぎれいなってみせろ」と。

毎年一兆円規模で増えていく社会保障費からすれば小さい話に見えますが、全国に21万戸もある国家公務員宿舎相場相当の家賃を課せば、年間数十億円かそれ以上の規模の財源が捻出できます。財政再建には小さくても被災者支援の財源としては十分に有用な額です。

また、そうして国家公務員が民間の賃貸住宅を借りれば、お金が民間に流れます。言い換えるなら「国がが経済の足を引っ張っている」ということです。こんなことやってたら本当にこの国は沈んでいくだけですよね。国家公務員宿舎は即刻廃止した方がいいと思います。

遅くとも2年後には総選挙が行われます。それまでに小さな政府を標榜し「社会保障も削るけど公務員もどうにかして減らす」「徹底的な規制緩和、民業圧迫要因の撤廃」を掲げる政党、政治グループが現れることを望みたいものです。