カエルアンコウにはご注意

海底の岩やカイメン、漁網なんかに同化して動かないカエルアンコウなら大丈夫ですが、岩陰に潜んでいるベニカエルアンコウの類いには要注意。

ほじほじ君などでつっついてちょっと出てきてもらい写真撮影に興じていると、連中は決まって私の顔に向かって泳いで来ます。せっかくだからとじっと見ていると、そのままBCDの隙間に逃げ込むのですよね。首とか脇とか。

カエルアンコウ1
私のBCDに潜り込んだ個体

しかたなく海底でBCD脱着。おそらく20年ぶり、最初のライセンスを取った時以来だ。

カエルアンコウ2
この個体も向かってきたなぁ。人間を捕獲者だとは思ってないのだろうか?

カエルアンコウが顔めがけて飛んで(?)きたら、自分が避けるか捕まえて戻すかしないと面倒なことになります。ヘタすると船の上や陸に持ち帰ってしまうし。

人の好みは千差万別

週末、かつてのダイバー仲間との飲み会がありました。メンバーの大半とはご無沙汰だったものの、皆元気にダイビングも続けていて何よりです。

ただし、会うことのなかったここ2年ぐらいの内に私の立ち位置がマクロに定まったのとは裏腹に、彼らの多くは典型的なワイド指向。「粟国島でギンガメアジのトルネードが…」「ハンマーが…」「イソマグロの群れが」などと話していましたね。

一人なんかは私に対して「外国にまでマクロダイビングに行く気持ちが解らない」とも。彼には「南国リゾートは大物を見に行くべきところ」という認識のようです。

でも私にしてみれば、マクロ生物を見るため、写真に収めるためにフィリピン、マレーシア、インドネシアあたりに出向くのは至って当然のことなのですが。ギンガメなんかはどこで見ても代りばえしないと思うし。

私の代表作のカエルアンコウ
こんなにキュートなカエルアンコウの幼魚よりも…
バラクーダのトルネード
バラクーダのトルネード写真なんかに食いつかれては悲しいものがあります

もちろん誰が水中の何を好きだろうが構わないわけです。スキューバダイビングはそれだけ奥行きが広いレジャーということでもありましょう。

ただまあ、そうまで指向性が違ってくると、この先はもう彼らと一緒に潜る日は来ないかもしれません。私の1個の根で60分みたいなマクロフォトダイブにつき合わせれば彼らは退屈するだろうし、私は水中を長々と泳ぐダイビングが大嫌い。地形ダイブに至っては、何が面白いのかまったくもって理解できません。

いや、リロアンやシパダン方面など、マクロもワイドも両方が充実している海だったら折衷できなくはないかな。

超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(3) 撮る』

<<前回(超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(2) モード設定)』

いよいよ撮り方のコツです。合い言葉は「撮っては調整、撮っては調整」。

前回、デフォルトの設定値を決めました。でも、デフォルトはあくまでもデフォルト。当然、上手くいくときもあれば、いかないときも。よってその時々で臨機応変に設定し直してやる必要があります。

ファインダを搭載したデジイチの場合、ファインダを覗いて撮るのが基本ですが、それでも撮影直後の液晶プレビューをONに設定しておきましょう。シャッターを押したら1秒ぐらい液晶画面にプレビューが表示される機能ですね。その分余計にに電力を消費することになりますが、撮った写真の明るさをその都度確認するために使います。

露出が足りない写真
露出が足りない写真 露出が足りないオオモンカエルアンコウの写真。 半透明のカクレエビをくっきり撮ろうとf20にしたままだったので。 まあ、ストロボを炊いておけばRAW現像時に回復できなくはないのですが、 なるべく適性露出で撮りたいですよね

そうして新たな被写体や撮影場所といったシチュエーションが変わるごとに試し撮りして、暗ければ以下のどれかを行います。

  • 絞りを開ける(f値を小さくする)
  • シャッタースピードを遅くする(手ブレに気をつければ1/60ぐらいまでは下げてもいいでしょう)
  • ISO設定値を上げる
  • 外付けストロボの光量を上げる
  • もう少し被写体に近づく(ストロボ光を十分に届かせる) 

どの方法がいいかはその時々で違うのでここでは断定できませんが、上から二つが常道でしょうかね。四つ目は上のような40cm級のオオモンカエルアンコウには使えませんし。 でももし小さい被写体なら、5番目の近づくやり方が有効だったりします。 ともかく「1発OKならラッキー。そうでなくても2枚目からは調整して成功率を上げる」という心構えですね。 これがプロや上級者ならそのときどきで瞬時に適切な絞りとシャッタースピードの組み合わせが判断できるのかもしれませんが、今の私にはまだ無理な芸当なので。

超・初心者向け『デジイチ水中写真 虎の巻(4) デジイチかコンデジか』>>

私の写真のFacebookページ:FROGFISH.JP

地球の海フォトコンテストの入賞作品(地球環境部門)

マリンダイビングフェアの最終日ってことで、最後に地球の地球環境部門の入賞作(入選)を。

スジモヨウフグとアカホシカクレエビ
『レディー・ガガ』 よく見るとスジモヨウフグの右目にはイボがあったりします

地球環境部門の入賞作はマリンフォト誌だけでなくマリンダイビングの5月号にも掲載されていますね。 タイトルはこちらに見立てて命名しました。

レディーガガ

この部門でもご祝儀を兼ねて2点応募していたのですが、タイトルからしてふざけた当て馬の一枚が選ばれて、本命(↓)の方が落とされてしまいました。

カレー小僧
『カレー小僧』

マリンダイビング誌にはこちらを掲載させたかったのに、ついついウケを狙ってしくじってしまった…。

結局、今年は私が応募可能な3部門で各1点ずつ、計3点が入選となりました。自分の写真の腕前はまだまだと認識しつつも、この地球の海フォトコンテストの末席にならコンスタントに加われるぐらいにはなった感じです。なにしろ選ばれる点数が多いですからね。

でも、いつかは上位に食い込みたいものです。スキルもさることながら、かなりの運も必要そうだけど。

落選作品

もうすぐマリンダイビングフェア。そしてこれは今年の地球の海フォトコンテストに応募して落選した作品です。

カレー小僧
『カレー小僧』 (地球環境部門) 撮影地:セブ
ジャガイモっぽい色のカエルアンコウが潜んでいた岩場の黄色をカレーのルーに、 赤を福神漬けに、イカの卵をライスに見立ててみました

もうすぐマリンダイビングフェア。そしてこれは今年の地球の海フォトコンテストに応募して落選した作品です。

まあ、地球環境部門にはもう1枚出していて、そちらが入賞したので選から外されちゃったのでしょうが、本当はこの一枚が私の本命だったのに…。いやあ、他人の評価はえてして自分の思い入れとは違うものです。やっぱこれ一点張りで応募するべきでしたかね。カエルアンコウのびっくりしたようなポーズといい作品タイトルといい、下位入賞のレベルには十分達していると思うのですが。

そうそう、地球の海フォトコンテストにはぜひとも「ユニーク写真部門」を設けてほしいものです。今回から新設された地球環境部門なんて定義が良くわかんないし。ユニーク写真部門はもちろん笑わせたもん勝ちってことで。

いや、部門ではなく「ユニーク写真大賞」や「ラブリー写真大賞」あるいは「みんなで考えま賞」みたいな審査員特別賞をいくつか作るのがいいかな。別枠で表彰するような。なにしろ地球の海フォトコンテストの盛り上がらなさの原因は、上位入賞作以外はその他大勢扱いされる点にもあると思うので。