花魁楊子魚の卵

オイランヨウジウオのペア。

オイランヨウジウオのペア

手前の個体がお腹に赤い卵を持っています。こちらがオスです。

オイランヨウジウオのオス

タツノオトシゴはメスがオスのお腹に卵を産みつけ、オスの体内で孵化させます。タツノオトシゴに近い仲間のヨウジウオの場合もメスがオスのお腹に卵を産み付けるのだとか。

トゲトゲツノツノメ

今回のマクタンでのダイビング初日、「何が見たい?」と訊ねられたので、すかさず「トゲツノメ」と答えました。トゲツノメエビ、ここ2年くらいずっと見たかったのですよね。

で、1ダイブ目、ヒルトゥガン島の近くのとある場所に直行。昨年の12月、ピグミーシーホースの団地に直行したのと同じパターンです。そうして、いきなりトゲツノメエビにご対面。やっぱ持つべきものは頼れるガイドへの伝手ですね。

ありがたいことにトゲツノメエビはピクミーよりもずっと浅いところにいます。しかも、この日はゲストが私一人だったのでトゲツノメエビだけを20分以上独占して撮ってました。

トゲツノメエビの雌
やや丸みを帯びているので雌らしいです

ちなみにトゲツノメエビはこんなサイズのエビです。

トゲツノメエビのサイズ
体長は20mm弱ってところ。私は撮ってて一番楽しい被写体サイズです

さらに三日目。この日は超ビギナーのゲストが二人。こういうときの定番コースもヒルトゥガンなので私も一緒に潜ることに。2ダイブ目、ビギナー達が30分かそこらで船に上がったらいよいよ私の時間。またトゲツノメエビを独り占めの撮影タイム。

トゲツノメエビの雄
こちらはトゲトゲ感が強いので雄

結局、足掛け二日で50分ぐらいをトゲツノメエビ撮りに費やし、200枚ほど撮りました。一人で来るとこれができていいのですよね。おかげで撮影のコツも掴めたし。

ただ大型の台風9号が行った直後だったので波は高め。水中もうねっていて体の固定は大変でした。トゲツノメエビ、海が穏やかなときにもう一度撮りに行きたいと思います。次は短時間でベストショットが撮れるはずだから2〜3人なら連れてってもいいかな。希望者がいればどうぞ。

リゾートホテル評(リロアンマリンビレッジ編)

いやあ、梅雨明けした東京はフィリピンよりも遥かに暑いです。フィリピンの気温はせいぜい30℃だし、何といってもこの湿度が…。


先日利用したリロアンマリンビレッジは、セブ島の南端に位置する日本人経営のダイビングサービス一体型リゾート施設。近くにはお店すらないので、寝食からダイビングまですべてがここで完結しています。

成田からセブに飛び、19時頃にセブ国際空港を出発し、陸路で3時間あまり走ると到着します。ウェルカムドリンクとしてジュースもしくはビール、そして軽食をを出してくれました。

到着直後の軽食
↑ 日本時間の23:30頃に出してもらった軽食

以下、滞在中の食事の写真です。基本的に三食ともブッフェの食べ放題。

二日目の朝食
↑ 二日目の朝食
二日目の昼食
↑ 昼食
二日目のおやつ
↑ おやつのお芋さん
二日目の夕食
↑ 夕食
三日目の朝食
三日目の朝食 ↑ 三日目の朝食
三日目のお弁当
↑ 三日目の昼食は船で食べるためのお弁当
三日目のおやつ
↑ おやつのツナサンド
三日目の夕食
↑ 夕食
四日目の朝食
↑ 四日目の朝食
四日目の昼食
↑ 昼食
四日目のおやつ
↑ おやつ。紅イモの餡が挟まっていました
四日目の夕食
↑ 夕食
五日目の朝の軽食
↑ 最終日の朝、リゾートを立つ際に渡された軽食

ビール(サンミゲルの小瓶)やRUM(タンドゥアイ)のハーフボトルもも数十円。その他もリーズナブルに設定されています。ハロハロも200円弱でした。

ハロハロ
↑ フィリピンの名物デザートのハロハロ

ああ、でもコーヒーは飲み放題ですが、水は500mlのペットボトルを購入する必要があります。 お部屋はこんな感じ。ちなみにDX 7という2階のお部屋でした。けっこう広々としています。

DX 7号室の内装
↑ 部屋の内装
DX 7号室の浴室
↑ シャワールーム。南国らしくバスタブはありません
消耗品
↑ 消耗品。歯ブラシを持参しないとね

ダイビングはいわゆるフィリピンスタイル。機材の運搬からセッティングまで何でもやってくれるやつです。それこそ階段で滑ってなければ快適に潜れたはずなのですが…。

なお、ダイビングに限らずマリンビレッジのスタッフは皆さん細やかな気遣いができる人達でした。フィリピン人スタッフもそこそこ日本語を解します。

往復6〜7時間の車移動とダイビング以外に何もすることがない環境で構わない人は快適に過ごせるはずです。その内また行くつもりです。

リロアンでまさかのノーダイブ

セブ空港から陸路を3時間かけてようやく辿り着いたリロアンの地でのダビング初日の朝、ボート際のステッブで足を滑らせ、手をついた際の衝撃で自分の歯で 唇の右側を切ってしまいドクターストップ。あっけなくこの旅でのダイビングは無しってことが決定。せめて一日ぐらい潜りたかったなあ。

事故現場
事故現場。こうして見ると何てことない階段ですが…

体力はあり余っているのでダイビングがダメならシュノーケリングでも…、マウスピースが縫合跡に良くないならマスクとフィンだけのスキンダイブでも…と思ったものの、そもそも傷口を海に浸けてはいけないそうで。ここで無理をして感染症にでもなれば余計に尾を引くし、何かあればリゾートにも迷惑がかかるので自重しないとね。

そういうわけなので今回は水中の写真が一枚もありません。もし私の写真を楽しみにしてた人がいたらゴメンナサイ。まあ、セブにはちょいちょい行ってるんだから、リロアンにもいつかまた行こうと思います。やはりマクロ天国だし、フィリピン航空のマイレージもリピーターだとあっさり溜まるので。

負傷&ノーダイビングになったことは残念ですが、考えようによってはこの程度で済んで良かったなと。なにしろ他には特にダメージもないので。

折りしも私のダイビング仲間の一人がアクシデントで頚椎を痛めてリハビリ中です。聞くと最初はかなり深刻だったそうな。今でもまだ厳しいなりに回復途上なのが何よりで、いつかまた一緒に潜りに行きたいものです。

ああ、だったら全快後のダイビングはリロアンがいいんじゃないかな。私はリベンジしなければならないし、そもそもリロアンを薦めてくれたのが彼女だったから、そういう目的を励みにするのも良かろうと。まあ、先々の彼女の選択次第ですが。

うん、誰かと比べて言うのはどうかと思うけど、自分の怪我はあまり深刻ではないのが救いですね。けっこう縫う程の裂傷だった割に回復も妙に早く、すぐに熱いコーヒーも飲めて、病院で貰った痛み止めも要らなかったし。

超・初心者向けデジイチ水中写真入門(5) 使えるレンズの見分けかた

私のダイビング仲間の一人がOlympus OM-Dの購入を検討中です。ゆくゆくは水中ハウジングも買って水中写真にも使いたいとのこと。どうやらお得なダブルズームレンズキットに魅かれているようです。でもこのレンズキットって存在は案外曲者だったりします。

OM-Dのダブルズームキットに付いているレンズは以下の2本。

  • Olympus M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6II R
  • Olympus M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6R

スペックを比べるとこの通り。ここでは水中撮影用で特に重視すべき点だけを抜き出してあります。

  M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6II R M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6R
最低撮影距離 25cm 90cm
最大撮影倍率 0.19倍 0.16 倍

まず、M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6R(上の表の右側)は水中ではまったく使い物になりません。なにしろ最低撮影距離が90cm、それ以内ではピントが合わないということです。そして90cmというと、よほど透明度が高い海でもなければストロボ光が減退して届きにくくなる距離。そもそも海の中では遠くはどうしても青く不鮮明になります。よってこのレンズでは何を撮っても楽しくないはずです。既製の対応レンズポートもないでしょう。

もう一方のM.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6II Rは使えなくはないものの、14-42mmを35mm判に換算すると28-82mm相当。そう、今どきのコンデジと同じような画角です。しかも25cm以内(レンズの先からは約20cm)はピントが合いません。よって小さなウミウシやカエルアンコウの幼魚、ダンゴウオなんかを撮るには微妙です。

もちろんコンパクトデジカメ(Canon PowerShot G1 Xを除く)よりはセンサーが大きいため画質面では有利だとしても、コンデジの水中セットの方が圧倒的にリーズナブル。しかもコンデジにはマクロモードもあります。

つまりこのダブルズームキットの2本のレンズは「まったく水中向きではないレンズ」と「ミラーレスにしたメリットがないレンズ」の組み合わせということです。

もっとも陸上で使うのが主目的で、水中では何となく撮れればいいってことなら構わないのですが、それにしては値が張りますよね。カメラ、レンズ、水中ハウジング、レンズポートの4点セットは20万円を超えちゃうわけで。だったら水中用には別途コンデジの上位機種を買い、OM-Dは陸上用に留める方が良いいかと。

もし、マクロ重視なら現時点ではCanon PowerShot S100がお勧めです。対応する水中ハウジングも知る限りで4社から発売されています。

ちなみに私がとりわけ水中撮影に向いていると思うマイクロフォーサーズ用レンズは以下の2本。

  • Panasonic LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm
  • Panasonic LUMIX G FISHEYE 8mm F3.5
  LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm Panasonic LUMIX G FISHEYE 8mm F3.5
最低撮影距離 15cm 10cm
最大撮影倍率 1.0倍 0.2倍

どちらも最低撮影距離が近く(ストロボ光が十分に届く距離まで被写体に寄れる)、かつコンパクトデジカメでは撮れない絵を写し出してくれるので。

ああ、そうだ。ズームレンズの14-42mmとマクロの45mmでは似たような焦点距離の数字が付与されているので、初心者は何となく「どちらも同じように写せるんじゃないか」「42mm側にズームをかければマクロに近い絵が撮れるよね?」と思うかもしれません。私も最初はそうでした。でも違うのですよね。

この場合、重要なのが最大撮影倍率。MACRO-ELMARIT 45mmが1.0倍なのに対して14-42mm F3.5-5.6II Rは0.19倍。早い話がズームレンズだと被写体がマクロレンズのときの1/5以下の大きさにしか映らないわけです。クローズアップレンズを外付けすれば焦点距離を短くしつつ拡大率を上げられますが、それでもマクロレンズの拡大率と使い勝手の良さには追いつきません。よってマクロ写真が撮りたければマクロレンズを選ぶべきです。

それともう一つ。コンデジのマクロモードには範囲が設定されていて被写体から離れるとピントが合わなくなりますが、一眼のマクロレンズにはそれがありません。手前から無限遠までピントが合うので、接写だけでなく人物のスナップを撮る用途なんかにもけっこう有益です。

それでもズームレンズが好みなら以下の2本はまあ悪くはないかと。

  • Panasonic LUMIX G VARIO 7-14mm F4.0 ASPH
  • Olympus M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
  Panasonic LUMIX G VARIO 7-14mm F4.0 ASPH Olympus M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
最低撮影距離 25cm 25cm
最大撮影倍率 0.08倍 0.10倍

どちらもコンデジにはない画角を持っているので。 あれこれ長くなりましたが、水中撮影ようにレンズを選ぶときは以下を目安にすると良いでしょう。

  • マクロ指向なら迷わずマクロレンズ
  • ワイド指向ならコンデジにはない画角のレンズ(35mm版換算で20mm未満が目安)

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