ダンジョン飯

前々から書こうと思っていながら書きそびれていたのだけど、最近気に入っている漫画が『ダンジョン飯』。年2冊のペースで現在5巻まで出版されています。6巻の発売は2月かな。待ち遠しいなぁ。

ダンジョン飯

知らない人のために紹介すると、魔法やモンスターに満ち溢れている西洋風のベタベタなファンタジー漫画です。指輪物語やダンジョン&ドラゴンの世界観そのもので、エルフやドワーフといった人種の設定もそのまま引き継いでいます。小柄な人種はホビットではなくハーフフットという名前になっているけど。

ONE PIECEがゴールド・ロジャーの死に際の一言で大海賊時代が訪れたように、ダンジョン飯ではある日、島の地下墓地がダンジョンに通じ、そこから出てきた1,000年前に栄えた国の王と称する人物が「魔法使いを倒した人に全てを与える」と言い残して朽ち果てたことでダンジョン探検ブームが起こったことになっています。それから何年も経つものの、まだ魔法使いを倒した人物はいません。

ストーリーは主人公の一行がダンジョンを探検する上で、やむを得ない事情から自給自足を強いられ、ダンジョンに生息する魔物を糧に冒険を続けるというもの。手始めには歩くきのことスライムを退治、調理して食べていました。フジテレビの『ダレトク』の『キモ旨グルメ』みたいな感じです。

この漫画の特徴は以下。

ギミックが効いている

ダンジョン内では何度でも生き返るという設定が、うまく機能しています。何しろ冒険の目的はドラゴンに食われて死亡した仲間を助け出すことだし。

ストーリー運びが巧妙

序盤は1話完結風だけど、ことごとく後の展開の伏線になっていて、連載漫画の作り方として秀逸です。

生物に対する知識が豊富

例えば作中にバジリスクという半鳥半蛇の生き物が出てきます。鳥のパーツはニワトリです。後にコカトリスという近縁種が登場するけど、こちらの半身はドロマエオサウルス風の羽毛を持った小型恐竜(ニワトリ風)。つまり「鳥類は恐竜と同じ生き物」という近年の生物学に基づいて描かれています。

料理に対する造詣もなかなか

食事シーンではわざわざ調理の過程や材料一覧、栄養素の7角チャートまで書かれています。しかもズッコケるタイトルを添えて。野生生物を狩って食べる漫画としては『トリコ』などがあったけど、あちらがバトルのついでに獲物を食う(ちっとも旨そうに見えない)のに対して、こちらは架空の食材を扱いながらも、ちゃんとしたグルメ漫画っぽくなっています。しかも西洋風のファンタジーなのに和食が多く箸で食べていたりします。ライオス、よく正座してるし。

画力が高い

作画力は見事です。作者は九井諒子さんという名前なので女性だと思うけど、絵も少女漫画っぽくはないし、それでいて女性の仕草の描写は見事です。例えばマルシルというメインキャラクターの指使いなど。また空間認識能力が高いというか、様々なアングルから描き分けています。作者のプロフィールは知らないけど相当デッサンの鍛錬をした人っぽい気がしますね。

ツッコミがしっかりしている

そしてこの作品が魅力的なのは、ツッコミがしっかりしているところ。主にボケ担当はお坊ちゃん育ちなトールマン(人間)のライオス。一応のパーティーリーダーである彼は魔物が好きすぎて天然ボケな言動を繰り返します。対してツッコミ担当はハーフフットの鍵師チルチャック。非力で臆病な反面、常に現実的な彼は必ず的確なツッコミのセリフを吐きます。漫才がそうだけどツッコミが決まってこそボケが活きるというものです。

また、マイペースなドワーフで魔物食研究家のセンシ、どんくさいけれど実は凄腕の魔法使いマルシルも実にいい味を出しています。

ちなみに私のお気に入りはセンシ。魔物食材の調理に長けた彼は、キモ美味グルメの平坂さんのポジションですね。特別制の鍋と包丁を有しているので、意外にいいとこの出なのかも。

さて、第5巻でおおよその背景が見えてきました。ライオスが絵画の世界の中で会ったことのある褐色肌で銀髪のエルフが狂乱の魔術師でダンジョンの支配者らしきことが描かれています。このエルフが黄金城の城主デルガル王を溺愛するあまり城に不死の魔法を張り巡らせたのでしょう。結果、彼は人間であるにも関わらず1,000年もの間死ぬことが許されなかった(死ぬたびに蘇生させられていた)と。それでも城がとある小島の地下墓地と繋がった際に何とか逃亡に成功し、遺言を残して果てたものの、それを知らない魔術師は使役する赤い火吹き竜に消息を絶ったデルガル王を探させている…ということなのだと推測します。

この漫画、もう少し話数が溜まったらアニメ化するべきだと思います。実に愉快なので。

昭和天皇物語

『昭和天皇物語』なる漫画の単行本第1巻が発売されたので読みました。ビッグコミックオリジナルで連載されているようですね。

昭和天皇物語

今上天皇の退位が近くなったことで企画されたのだろうけど、よもやこのテーマの漫画が世に送り出されるとは思ってもみませんでした。何というか、おそれ多いタブーの領域だと勝手に思っていたもので。

でも、映画『日本のいちばん長い日』では本木雅弘さんが演じていたし、考えてみれば昭和天皇は我が国の近代史が誇る最大の偉人なので、むしろ後世に積極的に伝えるべきでしょう。

第1巻の冒頭はかの有名なマッカーサー司令官との会談で始まります。敗戦国の王として命乞いをするどころか、 自らが戦争の全責任を負うと申し出られたことで、マッカーサーがいたく感銘を受けたいという。昭和天皇のこのお言葉がなければ天皇制は廃止され、その後の日本はもっと主体性のない国になっていたかもしれません。

さて、物語は昭和天皇が皇太子になる前、明治時代後半の幼少期から描かれています。我々は昭和天皇が高潔なお人柄だったことぐらいしか存じ上げないので、非常に興味深いです。当然ながら今後青年期に差し掛かり、20歳で摂政になり、25歳で天皇に即位され、その間には関東大震災が、その後も太平洋戦争、そして戦後の復興など激動の時代が天皇中心に描かれていくのでしょう。

作者および編集者は、この漫画の連載をやるからには膨大な資料を読み込み、各方面に綿密な取材を敢行しているはず。よって逸話やセリフの細かいところまで史実なのか、あるいは多分にフィクションで補正されているのかは私には解らないのだけど、ともかく最終話まで読み遂げないといけない作品だと思いました。

ONE PIECE 86巻の雑感

ONE PIECE 86巻が発売されて一週間経ったので雑観でも。週刊の連載は読んでいないので、あくまでも単行本のみの考察です。

ONE PIECE 86巻

マザー・カルメル失踪

86巻でもっとも解りにくかったのはビッグマムの回想の終盤。幼少のリンリンがセムラのクロカンブッシュを一心不乱に食べている間にマザー・カルメルと子供達が忽然と姿を消したシーン。最初は人売りのために置き去りにされたのかと思ったけど違いますね。様子を見にきていた巨人が青ざめていたこと、机も齧ったこと、その後マザーの能力をリンリンが使えるようになったことから、あれは山盛りのセムラと一緒に居合わせた面々をリンリンが食ってしまったのでしょう。

頂上戦争の際、黒ひげが死した白ひげの能力を奪ったことから、悪魔の能力を授ける何かが能力者の体内にあることが示唆されています。黒ひげはヤミヤミの実の「能力者の実体を引き寄せる力」でそれを取り出したのだろうけど、リンリンは能力者を丸ごと食ったことで力を得たと解釈できます。

ならば、およそ何をしようと死ななそうなビッグマムの最後は他の能力者を食って爆死するのかもしれません。

とはいえ無敵の肉体を持つのはカイドウもそう。どう描き分けていくかも見ものです。

シュトロイゼン

回想の最後に後の料理長が登場しました。クククク(Cook Cook)の実っていいですね。ワポルの何でも食えるバクバクの実も魅力的だったけど、物を食材に変えるこちらの方が使い勝手が良く、自他ともに美味しくいただけます。でも、次巻あたりSBSに「ウンコも食材に変わりますか?」という質問が載りそう…。

で、ビッグマム海賊団最古参となったシュトロイゼンは最初の夫かも。長男ペロスペローと次男カタクリに眉と目が似ているので。

カタクリ

モチモチの実は「特殊なパラミシア」とのこと。なぜ特殊かというと、ロギアっぽいからかな。

通常、パラミシアは基本的に能力の対象物そのもののには変わらないはずだけど、カタクリは体をトリモチ状に変化させたり餅を分泌することもできます。

ただし、ダイヤモンド・ジョズの過去の描写と同様、餅に変化できるのは体の一部だけなのかも。だったらパラミシアですね。

ヴィト

ジェルマ66フリークのヴィトは結婚式の直前、世経新聞の社長とジャッジが話している場面に心を躍らせます。

また、巻の最後で反ビッグマム連合が籠城を強いられた際には抜け目なくジェルマの王子に話しかけていました。

プラリネ

アラディンと結婚したシュモクザメの人魚プラリネは、ビッグマムの暗殺計画にも動じていません。シフォン同様、ママを良くは思っていないのでしょう。

謎の手長族

ジェルマの連中が変身を果たした際、炎に包まれても平気な彼らを見て「ニヤリ」と笑う短身の手長族が登場していますが、わざわざ描いたってことは、何か役割があるのでしょう。ビッグマム海賊団の科学者かな。

今後の展開

玉手箱は絶妙なタイミングで爆発するのでしょうね。

ほんでもって、すったもんだでビッグマムが倒されるのは当然として、ベッジやジェルマが麦わらの傘下に入るのかが気になります。メインの敵以外はだいたい友軍になるのがお決まりのパターンだから。ジェルマの王子たちは恩義など感じなさそうだけど、ジャッジとレイジュは違うし。

それと、別行動のマルコ捜索とワノ国潜入の部隊がどうなっているのか。というか、話を早く進めて欲しいのですよね。

バンジーガム

捕食用の網を展開したSpiny porcelain crab、アカホシカニダマシ。

アカホシカニダマシ

このポーズ、HUNTER X HUNTERに登場するヒソカに似ています。ガムとゴム両方の性質を持った粘着物質『バンジーガム』を両手で繰り出す際の。

先月、32巻が発売されたHUNTER X HUNTER、相変わらず面白いですねえ。長期休載が許されるだけあります。

前半は天空闘技場におけるヒソカ対クロロのデスマッチ。用意周到かつ審判や観客も武器として使うクロロに対してヒソカはバンジーガムを駆使して臨機応変に立ち向かうも、あえなく死亡。ただし、死後に発動するように設定した蘇生術によって蘇ります。しかも、負けて死んだことも体の欠損や負傷にも頓着せず、いよいよ幻影旅団狩りを開始しました。

さて、ヒソカを打ち負かしたクロロは輸送船に乗り第四王子のお宝を狙うとのこと。またクラピカと対峙することになりそうです。船で旅団集合らしいので、当然、ヒソカも乗るわけだ。そこにジンやパリストン、レオリオなども絡んでいくはず。ジンのご先祖であろうドン=フリークスも存命で未だ冒険中かもしれないし、ゴンとキルアを除いたオールスター勢揃いみたいな展開になりそうです。

時々なら休載してくれてもいいので、ぜひとも話を完結まで続けて欲しいと強く願います。

ローガン

6月1日、映画『ローガン』を見てきました。レイトショーで1,100円。私が映画に払えるのはこれぐらいです。自宅最寄駅に映画館があるっていいですね。

イオンシネマ新百合ヶ丘では一日3回(字幕版)しか上映されていないので、いつぞやの『X-MENアポカリプス』みたいに期待外れな作品かと思いきや、結構面白くて、いい作品になっていました。

以下、ネタバレ多数です。

(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
(C)2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
2029年のアメリカでは、過去25年間ミュータントが一人も生まれず、いわゆるミュータント問題は過去のものとなっていました。ウルヴァリンもなぜか体調を崩し、リムジンの運転手に身をやつしています。

ミュータントが絶滅の危機に瀕している理由は途中で明かされます。遺伝子組み換え食物にミュータント因子を阻害する要素を組み入れて流通させたのだそうな。その結果、普通の人は風邪すら引かなくなった一方で、ミュータントには深刻な影響を及ぼしました。ウルヴァリンは傷が完治せず(体内のアダマンチウムが原因とも言ってたけど)、エグゼビアは老衰もあってか発作とともに無差別麻痺攻撃を発動する始末。3年前にはそれがきっかけで多くのミュータントを死なせてしまったようで。

話のメインは武装組織に追われる謎の少女をノースダコタに送り届けること。追っ手は彼女を生み出し、戦闘訓練を施したバイオ兵器の研究機関です。少女は原作通りの「X-23」ではなくローラという名前で呼ばれています。ウルヴァリンのミュータント能力を受け継いでいるものの、クローンではなく人工授精で生まれたようです。

ローラが「X-23」と呼ばれることはなかったけど、ウルヴァリンのクローンらしきミュータント「X-24」が登場します。この辺りはジャングルの王者ターちゃんそっくりの展開でした。

なお、ローラやX-24など人為操作によって生み出された新世代ミュータントは、遺伝子組み換え食物への耐性を持っているようですね。

映画の中盤は、エグゼビア、ウルヴァリン、ローラという3世代ファミリーによるロードムービー。本当は90歳のエグゼビアよりウルヴァリンの方が何十歳も年上なのだけど。

あとは見てのお楽しみ。

恒例のスタン・リーのカメオは発見できませんでした。DVDになったら探すことにしましょう。

本作で一番驚いたのは、エンドロール後の予告がなかったこと。ウルヴァリンものは最後だと言われているけど、X-MENシリーズがどうなるかは不明です。